円滑な運営が実現

約300人の小学生が参加。東京六大学野球連盟からは各6校の監督以下、6人の学生が指導役を担った[写真=BBM]
【東京六大学野球連盟少年少女野球教室】
8月19日 神宮球場
東京六大学野球連盟少年少女野球教室が8月19日、神宮球場で行われた。コロナ禍の中止期間を挟み、今年が13回目。全日本軟式野球連盟東京都支部の東京都軟式野球連盟に加盟する26チームから小学生約300人が参加した。東京六大学からは加盟6校の監督、学生6人ずつがコーチ役を務め、キャッチボール、ロングティー、ノック(トレーニングケア、守備基礎、捕手基礎)に分かれ、約30分のローテーションで回った。
同野球教室が何より充実しているのが、六大学の主将以下、中心選手が勢ぞろいしていることである。学生コーチが帯同し、マネジャーが進行役と、円滑な運営が実現している。

東京都軟式野球連盟・若月専務理事は野球教室の意義を語った[写真=BBM]
東京都軟式野球連盟専務理事の若月芳弘氏は明かす。
「7月1日、ホームページに参加告知を出したんですが、申し込みスタートからわずか1分で定員に達し、ものすごい人気があるんです。一般的な野球教室は講師陣が少ないケースもありますが、東京六大学さんは6校の監督さんをはじめ、複数の選手から見ていただける一番、良い野球教室です。ボールを飛ばすこと、速いボールを投げること。一つひとつの動作が勉強になる良い機会です」
東京都軟式野球連盟は今年、結成80年だ。
「1945年、物資もない中で、関係者の熱意だけでやっていたという言い伝えが残っています。(上部団体である)全日本軟式野球連盟の設立が翌46年ですから、戦後の混乱期、東京から普及・発展していった歴史がある。今年は戦後80年で、感慨深いものがあります」
東京六大学野球連盟・加藤貴昭理事長(慶大部長)は意義を語る。
「東京六大学野球を身近に感じられる、大きな意味のある機会だと思います。学生にとっても、小学生に教えることで、自身の取り組みを確認することができる。野球の技術だけでなく、子どもたちと接することにより、たくさんの学びがある。思う存分、野球ができる環境が限られている中で、今後も連盟として普及・振興を継続していきたいと思います」

恒例のロングティーでは明大・小島は6スイングで3本のスタンドインを披露した[写真=BBM]
野球教室の最後は、恒例のロングティーである。各校から1人、代表選手が5スイング。昨年、今年と大学日本代表でプレーした明大・小島大河(4年・東海大相模高)は初球から2球連続でスタンドイン、また「もう1球」で臨んだ6球目もライトスタンドへと運んだ。立大・西川侑志(4年・神戸国際大付高)、慶大・常松広太郎(4年・慶應湘南藤沢高)もサク越えを披露。子どもたちは大喜びだった。
今春から母校・明大を指揮する戸塚俊美監督は初参加の感想を「これだけ集まっていただき、本当にありがたいことです。将来、一人でも多くの子どもたちが、東京六大学野球を目指してほしいです」と語った。
当番校(幹事校)である慶大・堀井哲也監督は閉会あいさつで「9月13日からは、この神宮球場でリーグ戦が開幕しますのでぜひ、見に来てください。また、この中から将来、東京六大学でプレーする選手が出てくることを願っています」と語った。

閉会式後、学生たちは多くの小学生に囲まれた。写真は東大・渡辺向輝[写真=BBM]
以下、参加選手のコメントである。
早大・尾瀬雄大外野手(4年・帝京高)
「東京都出身なので、小学生当時、対戦経験あるチームも参加しており、愛着がありました。もともと子どもたちと接するのが好きで、野球を楽しむという原点回帰の場になりました。子どもたちには野球だけでなく、勉強もするように声がけをさせていただきました」
明大・小島大河捕手(4年・東海大相模高)
「(ロングティーは)全部、サク越えを狙っていたんですが……(苦笑)。良いところを見せられたので、良かったです。少年時代を思い出すことができ、原点に返る良い機会となりました。最後の秋は、リーグ優勝して、明治神宮大会で日本一になる。(ドラフトは)個人のことなので、チームの勝利を最優先に頑張っていきたいと思います」
立大・西川侑志主将(4年・神戸国際大付高)
「(ロングティーでは1本塁打を放ち)子どもたちに、東京六大学野球のレベルは『こんなもんだ』というものを見せようと打席に立ちました。『立教でプレーしたい!!』という参加者もいたので、うれしかったです。この勢いで、秋のリーグ戦では5本塁打を打てるように、頑張っていきたいと思います」
法大・
松下歩叶主将(4年・桐蔭学園高)
「初めて参加させていただきましたが、子どもたちから元気とパワーをもらいました。リーグ戦ではライバル同士となりますが、今日は他の5大学の選手とも楽しい時間を過ごすことができました。8月23日には東京六大学オールスター(水戸)がありますが、そこでも親睦を深め、チームとしては秋のリーグ戦は9月13日の開幕カード(対慶大)にピークを持って来られるようにしたいです」
東大・中山太陽外野手(4年・宇都宮高)
「いつもプレーしている神宮の舞台で、子どもたちと触れ合うことができ、貴重な経験を積むことができました 学生ラストシーズンとなる秋は、この神宮でチーム目標である『勝ち点』を目指し、勝利にこだわっていきます」
文=岡本朋祐