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【首都大学リポート】新たな“相棒”を手にして取り戻した自分のスイング 帝京大のドラフト候補・彦坂藍斗

 

「やっと見つかったという気持ち」


帝京大・彦坂はすでにプロ志望届を提出。「プロ一本」で10月23日を待つ[写真=大平明]


【9月27日】首都大学一部リーグ戦
帝京大4-1東海大(帝京大1勝)

 首都大学リーグ第4週1日目。帝京大のドラフト候補・彦坂藍斗(4年・享栄高)が本塁打を含む3安打3打点と活躍し、帝京大が4対1で東海大1回戦を制した。

「力感なく振っても長打が出るのが自分の長所なんですが、ずっと自分のスイングができていなかったんです。でも、前週からやっと自分のスイングを取り戻すことができました」

 大きなきっかけとなったのはバットを変えたことだという。

「これまではトップバランスのバットを使っていたんですが、いろいろと測定をしてもらったらミドルに近いバランスが合っているという結果が出たんです。それでバットを変えてみたのですが振り抜きやすさが変わりました。やっと見つかったという気持ちです」

 フォームについては「ちょっとずつ誤差があったんです。それで、まずは右足を上げた時のトップの位置を変え、少し立てるようにしています。それから下半身が回りすぎてしまうところがあるので、キレ良くキュッとツイストして振るように意識しています」と細かな修正を入れてきた。

 この夏の課題にしていたコンタクト率に関しても「左手でボールをつかまえにいくようにしています。これまでも意識していたことなのですが、調子を落としていた時期はそこまで気が回っていませんでした。そこで、もう一度、自分の原点のスイングに戻って打つようにしています」。

 今季は第2週の武蔵大戦で2試合連続の複数安打。前週の武蔵大3回戦ではイニングの先頭で打席に立つ場面が多かったこともあり、チャンスメーカーとして1安打3四球。盗塁も決め、2得点を挙げた。

進路はプロ一本


 東海大1回戦も「打順はあまり気にしていないのですが、三番は自分のタイミングで打席に立てます」と今季、定着している三番・センターで先発出場。3回裏の第2打席では二死二塁のチャンスで打席に立つと、東海大のエース・米田天翼(3年・市和歌山高)から一、二塁間を破る先制のタイムリーヒットを放った。

「米田投手にはずっと抑えられてきたので『絶対に打ってやろう』と思って打席に入りました。技術よりも気持ちで打った一本です」

 第3打席はピッチャー返しでセンターへクリーンヒット。さらに、7回裏の第4打席では、この試合でも150キロ超のストレートを連発していた求航太郎(3年・東海大相模高)に対し、一死二塁から貴重な追加点となる2ランを右中間の芝生席へたたき込んだ。

「求投手とは春に対戦した時は三振に抑えられていたので、強い気持ちを持って臨みました。狙っていた真っすぐが真ん中寄りに来たボールを捉えて、打った瞬間は『どうかな』と感じたのですが、どんどん打球が伸びてくれました」。今春のリーグ戦でもホームランを一本打っているが「春よりもはるかに良いバッティングができているので、自分でも納得できる一発が打てました」と晴れやかな表情を見せた。

 この試合の3安打で打率.346まで上昇。昨春に首位打者を獲得した後はスランプに悩まされたが「久々に打率が3割を超えてくれました。ただ、数字にはこだわらずにやっていきたい」と今後も目の前の打席に集中していくつもりだ。頼もしい中軸の復活に唐澤良一監督も「やっとここに来て調子が上向きになってきました。彦坂が良くなってくれれば、チームにとっても大きい」と話している。

 リーグは混戦模様だが、彦坂は「まずは2位以内に入って関東大会に出場することが目標。1、2週目は3戦目までもつれましたが、明日は勝って勝ち点を挙げたい。自分が打てばチームも勝てると思います」と中心選手としての自覚と自負を感じさせた。東海大2回戦は3対7で落とし、勝ち点をかけた3回戦へもつれ込むこととなった。彦坂は4打数1安打。今後も打線のキーマンである。

 プロ志望届はすでに提出済み。進路はプロ一本に絞っている。「プロはずっと目指してきました。唐澤監督からは『プレッシャーを感じずにプレーしろ』と言われているのですが、それは難しいのでとにかく後悔のないようにやっていきたいです」。唐澤監督は試合後の取材を終えた去り際に「一生懸命に練習している選手です。彦坂のことを写真付きで取り上げてやってください」と親心。恩師の後押しを受け、新たな相棒を手にした彦坂は夢の舞台に向かってラストスパートをかける。

文=大平明
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