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秋季キャンプでメンバー漏れ…背水の陣の根尾昂に「このまま終わってほしくない」願いが

 

同学年にはタイトルホルダーも


7年目の今季は一軍で4試合の登板に終わった根尾


 高知で行われている秋季キャンプ。井上一樹監督が鋭いまなざしで選手を見つめる中、根尾昂はこのキャンプの参加メンバーから漏れた。故障をしているわけではない。今年でプロ7年目を終え、期待の若手成長株という枠組みの選手ではないことを突きつけられた。

 救援に専念し、背番号「30」に変更した今季は一軍登板が4試合のみに終わり、防御率7.94。5月下旬に登録抹消されると、再び一軍のマウンドに上がる機会は訪れなかった。ウエスタン・リーグでは42試合板し、3勝3敗1セーブ、防御率2.68。決して悪くない数字だが、良い球を投げる再現性に課題を残した。

 同学年の小園海斗(広島)は今季首位打者&最高出塁率のタイトルを獲得。大阪桐蔭高でともに切磋琢磨した藤原恭大(ロッテ)は107試合出場で打率.271、4本塁打、24打点、15盗塁をマークし、自身初の規定打席をクリアした。大卒組の同学年ではチームメートの松山晋也(中日)が最多セーブのタイトルを獲得。森下翔太(阪神)も自己最多の23本塁打、89打点をマークし、2年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。

高3時には甲子園春夏連覇


 高校時代に世代のトップランナーだった根尾は一軍に定着できない現状を、どう捉えているだろうか。大阪桐蔭高では投打の二刀流で活躍し、藤原、横川凱(巨人)と3度の全国制覇を経験。2年春のセンバツで頂点に立つと、2年夏は仙台育英高に3回戦でサヨナラ負けを喫したが、3年時に春夏連覇を飾った。根尾は週刊ベースボールのインタビューで、「1つ上の代のチームは、僕らの代よりも力があったので、このままでは僕らは勝ち切れないと危機感がありましたし、甲子園でもう2度と負けたくないと。この夏の後、選手同士で意志を確認するミーティングもしましたけど、それ以前に個々でこれが足りない、これをしなければいけないというのが芽生えていて、チームは強くなっていったと思います」と振り返っている。

 新チームでは1度も負けることなく、圧倒的な強さを見せた。3年夏の決勝戦では吉田輝星(オリックス)擁する金足農高に13対2と圧勝。「五番・遊撃」でスタメン出場した根尾は5回にバックスクリーンへ本塁打を放っている。

「ようやく、先輩たちの分をやり返せた、という思いが真っ先に浮かびました。桐蔭のユニフォームを着て甲子園でプレーすることはもうないわけで、1つ区切りがついたなという感じでした。レベルの高い先輩たち、同級生に囲まれて野球ができたので、すごく充実した3年間だったと思います。全国の舞台での負けも経験して、内面的なところでも成長できたと思っていますし、プロの舞台でも学んだことを生かして、しっかりとプレーしていきたいと思います」。

ますます激しくなる競争


 ドラフトでは中日、日本ハム、巨人、ヤクルトの4球団が1位指名で競合。高校時代は投打の二刀流で活躍したが、プロでは遊撃で勝負することを決断する。だが、長い試練が続く。攻守でなかなか結果が残せず、22年のシーズン途中に野手から投手に転向。異例のコンバートは大きな反響を呼び、同年は25試合に登板して期待を抱かせた。だが、その後は投球フォームで試行錯誤を重ね、23年以降の登板数は2試合、3試合、4試合と存在感が薄くなっている。

 プロ野球は選手の入れ替わりが激しい世界だ。今秋のドラフトでは中西聖輝(青学大)、櫻井頼之介(東北福祉大)、篠崎国忠(徳島インディゴソックス)と即戦力の3投手を1位から指名した。根尾の置かれた立場はさらに厳しくなっているが、首脳陣の信頼をつかむためにはマウンド上で実力を証明するしかない。

 中日ファンの人気は依然として高く、SNS上では「ずっと応援している。はい上がってほしい」、「根尾が応援すると球場のボルテージが一気に上がる。このまま終わってほしくない」など激励のメッセージが多く寄せられている。逆襲のシーズンに向け、万全の準備を尽くす。

写真=BBM
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