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来季は中日が台風の目? 先発陣強化に成功で「投手王国復活」期待が

 

FA権保有の柳、松葉が残留


国内FA権を行使せずに3年契約で中日残留となった柳


 今オフの中日は明るいニュースが多い。FA権を保有して去就が注目されていた柳裕也松葉貴大が共に残留することが決定。ドラフトでは1位で中西聖輝(青学大)、2位で櫻井頼之介(東北福祉大)と2人の即戦力右腕の指名に成功した。また、昨年に西武で28セーブを挙げ、今季はレッズ傘下3Aでプレーしていたアルバート・アブレイユの獲得もスポーツ紙で報じられた。

 今年は3年連続最下位から脱出したが、9月に入って19日まで4勝12敗と大きく負け越してCS争いから脱落。借金15で4位に終わった。戦力整備が最も必要なのが先発陣だった。2ケタ勝利をマークした投手は、11勝と見事に復活した37歳左腕の大野雄大のみ。高橋宏斗は8勝10敗、防御率2.83と能力の高さを考えれば満足できる数字ではない。

 その中でFA権を行使すれば他球団が獲得に乗り出すことが予想された柳、松葉の残留は大きい。柳は右肩のコンディション不良で今年3勝止まりだったが、球団は先発で長年稼働した功労者に誠意を尽くした。9000万円増の年俸2億円+出来高の3年契約を結び、新たな気持ちで巻き返しを図る。松葉はプロ13年目で初の規定投球回に到達し、23試合登板で7勝11敗、防御率2.72をマーク。今季推定年俸5000万円で人的補償が必要ないCランクだったことからFA市場で注目銘柄だったが、倍増の1億円で複数年契約を結んだ(金額は推定)。

期待値が高いドライチ右腕


ドラフト1位右腕の中西は大学No.1右腕と称される


 実績十分の投手たちの残留は心強いが、いつまでも中堅、ベテランに頼っていられない。上位浮上を狙うためには若い力の台頭が不可欠となる。来年がプロ2年目の金丸夢斗は先発で一本立ちすることが求められる。今年は15試合登板で2勝6敗、防御率2.61。白星は伸びなかったが、クォリティースタート(先発投手が6回以上投げて自責点3以内)率は80%と高い数字を記録した。ゲームメーク能力の高さを証明し、2ケタ勝利は実現可能な数字だ。

 ドラフトでは大学No.1右腕の呼び声高い中西を一本釣りできた。智弁学園高で3年夏にエースで全国制覇を飾り、青学大に進学後は3年時に春秋のリーグ戦、大学選手権、明治神宮大会を制して大学4冠の立役者になるなど、「勝つ術」を知っている右腕だ。

 野球評論家の伊原春樹氏は、週刊ベースボールのコラムで中西を絶賛した上で、来年の中日に期待を込める。

「中西の加入は中日にとって大きなプラスアルファになる。ケガさえなければ開幕先発ローテーション入りは確実だろう。昨年のドラフトでは金丸夢斗をドラフト1位で獲得。金丸は1年目、打線の援護に恵まれずに2勝に終わったが15試合の先発で防御率2.61。来年はもっと勝利を稼げるはずだ。さらに若きエース・高橋宏斗もいる。高橋宏、金丸、中西の若手三羽烏は大いに魅力的だ。井上一樹監督が新たにチームを率いた今季は借金15の4位に終わった中日。ここ10年でBクラスは9度、そのうち5位、最下位が各4度と低迷しているが、戦力は整いつつある。3人の若手投手が先発でチームに勢いを与えれば、来年はファンを最後まで楽しませるシーズンになるのではないかと思う」

先発ローテ入りの力を持つドラフト2位


 2位で獲得した櫻井も1年目から先発ローテーションに割って入る力を持っている。東北福祉大で3年からエース格となり、4年春のリーグ戦でMVPを受賞。優勝を飾った大学選手権では2勝をマークして最優秀投手賞に輝いた。カーブ、カットボール、スライダー、チェンジアップ、スプリット、ツーシームと多彩な変化球を操り、150キロ前後を計測する直球も力強い。打者を見る洞察力に長け、「元からカンが鋭いんですよ。『こいつ、これを狙ってんな』ってバッターの反応を見て、パッと次に投げる球種が浮かぶんです」と語っている。

 高橋宏、金丸、大野、柳、松葉、中西、櫻井……さらに、ベテランの涌井秀章、来季の残留が報じられている身長2メートル左腕のカイル・マラーも先発ローテ入りを狙う。投手王国が復活すれば、来季はセ・リーグの台風の目になる可能性を秘めている。

写真=BBM
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