ケガを乗り越えた練習の虫

日本生命・松本は167cm71kg。右投左打の外野手は、スピードを前面としたプレーが持ち味で、入社3年目にして初のベストナインを受賞した[写真=川口洋邦]
2025年度社会人野球表彰が12月10日、東京都内のホテルで行われた。
外野手部門で初受賞したのは日本生命の入社3年目・
松本渉(東洋大)である。
二番打者として都市対抗4強、社会人日本選手権準優勝に貢献し、この二大大会でともに優秀選手に選ばれた。右投げ左打ち。50メートル走5秒8の俊足を生かし、年間打率は.320。JABA主要大会で最多の9盗塁をマークし、8犠打と小技が武器である。
「今年1年、二大大会で9試合に出場でき、自分の中でとても財産になりました。来年は日本一になってこの場に戻ってこられるよう、そして自分のプレーで皆さまがワクワクしていただけるような選手になれるように、これからも精進してまいりたいと思います」
東洋大では1年春に新人賞、同秋は外野手部門のベストナインを受賞した。3年時に右肩を脱臼。DHとして出場を続けたが、1年後に手術を受けた。チームは3年春に二部降格。以降4年秋まで、3シーズンを二部で過ごした。4年秋は、満足にプレーできなかった。
2023年に入社した日本生命では1年目はDHで出場し、2年目から一番・中堅。3年目の今季は二番・左翼で、飛躍のシーズンとした。
「いろいろなケガとかもあったりして、やっと自分のプレーができるようになった感じですかね。まだ、自信持って守れてない中で、このような賞を取れるとも思ってなかったです。体を万全にすれば、もうちょっといけるかな、という感じは、自分の中であります」
現役選手である限り、納得することはない。
「今回、ベストナインをいただいたんですけど、満足せずに、もっと高みを目指して来年以降もやっていきたいと思います」
ライバルチームの休部発表を受けて
何でもできる、二番打者である。
「つなぎであったり、一番・中津
大和(法大)が出塁できなかったら、自分がチャンスメイクするとか、いろいろ役割があります。期待されていると思うので、幅広くチームにいろんな角度から貢献していきたいなと思います」
社会人表彰式の前日、名門・パナソニックの26年シーズン限りでの休部が発表された。
「やっぱり同じ近畿でしのぎを削っている中で、寂しいというか、自分たちも、いつそうなってもおかしくないと思うので……。野球ができることは、当たり前ではないので、常に感謝の気持ちを持ちながらやらないといけないなと思います」
自らでコントロールできる分野は、万全のコンディションを整えていくこと。社会人球界屈指のスピードスターは、目の前の1日に集中する。
取材・文=岡本朋祐