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巨人から移籍の最速155キロ右腕「パ・リーグで大化け」可能性が

 

野球人生の大きな転機


巨人から楽天へ人的補償で移籍することになった田中千


 巨人からFAの人的補償で楽天に移籍が決まった田中千晴が、新天地で大ブレークを目指す。

 身長189センチの長身から最速155キロの直球、落差の大きいフォークを武器にドラフト3位で巨人に入団。1年目の2023年は30試合に救援登板した。24年は3試合登板に終わり、オフに右肘のクリーニング手術を受けた。復活を期した昨年は一軍登板なしに終わったが、イースタン・リーグで36試合登板して防御率1.51をマーク。巨人の救援陣は大勢ライデル・マルティネス中川皓太田中瑛斗船迫大雅石川達也高梨雄平と実力者たちがそろっている。楽天は救援陣の層が厚いとは言えないため、田中にとって移籍が野球人生の大きな転機になるかもしれない。

 律儀な性格は巨人、楽天の関係者やファンへの対応に現れている。1月27日に自身のインスタグラムを更新し、巨人の帽子を取ってお辞儀する写真を投稿。「3年間という時間でしたが、読売ジャイアンツという環境で経験させていただいたことは僕にとってかけがえのない時間でした。学んだことをしっかりと今後の野球人生に活かさせていただきます」と感謝の思いを綴った。そして、「東北楽天ゴールデンイーグルスの皆様へ」と記し、「自分を必要としてとっていただいたことを心より感謝申し上げます。まずは顔と名前と背番号を覚えていただけるよう努めてまいります」、「これからは東北楽天ゴールデンイーグルスのために腕を振れるのだととても喜びを感じております。東北を盛り上げれるよう頑張りますので、どうか田中千晴を見ていただけると幸いです」と誓った。

広島で素質が開花した右腕


 FAの人的補償により巨人から移籍した活躍した投手で、素質を開花させた右腕が一岡竜司(現広島球団アナリスト)だ。ドラフト3位で巨人に入団という点で田中と重なる。プロ2年間で計13試合登板し、未勝利に終わったが、ファームでは抑えを務めて好成績を残していた。大竹寛(巨人二軍投手コーチ)が巨人にFA移籍による人的補償で広島に移籍すると、セットアッパーで大活躍。移籍初年度に31試合登板で16ホールド、防御率0.58をマークすると、球団史上初のリーグ3連覇を飾った時期もフル稼働した。広島で10年間プレーして通算277試合登板し、17勝14敗7セーブ84ホールドをマーク。一岡は週刊ベースボールのインタビューで、広島に移籍が決まった13年オフに経験した海外での武者修行が、野球人生の転機だったことを明かしている。

巨人から広島へ人的補償で移籍し、ブレークした一岡


「専門学校から直接、プロに入ったのが自分が初めてで、正直に一軍うんぬんよりも『プロの世界で2、3年やれればいい。そうしたら、次の専門学生に夢がつながるかな』ぐらいの思いだったんです。ただ、フタを開けてみたら、1、2年目から(プロでの)12年間で一番良かったんじゃないかという球が投げられて。二軍でしたけど1年目に46試合で防御率0点台とか、あのころが一番、生き生きとしていた。その中で一番大きかったのが、13年オフに派遣されたウインター・リーグ(プエルトリコ)。そこで野球観が変わったんです。そして移籍。ウインター・リーグを経験していなかったら、一軍でここまで投げられていなかったのかもしれません」

「どうしても日本にいると、抑えなきゃいけないとか、練習しなくちゃいけないとか。先輩がまだ練習をやっているから後輩は帰っちゃいけないとか、そういうのがあると思うんですよね。でも、あっちは『みんな、友達』みたいな感じで、野球をするのが仕事だと思っていないような。純粋に楽しみながらやっている――そういう感覚って大事だよなというのは、すごく思っていました」

 田中も巨人時代に過ごした3年間が、楽天移籍後も大きな糧になるだろう。25歳とまだまだ若い。身体能力が上がり、技術面でも成熟の時期を迎える。野球人生の全盛期はこれからだ。

写真=BBM
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