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ドラフト1位入団で伸び悩みも…肉体改造で快音連発「中日の和製大砲」は

 

不退転の決意で臨むキャンプ


今季で7年目を迎えた石川。今年こそ、ブレークしなければいけない[写真=榎本郁也]


 スリムになった体で鋭い打球を放つ。沖縄・北谷で行われている中日の春季キャンプ。不退転の決意で臨む選手が石川昂弥だ。

 今年がプロ7年目。もう期待の若手という枠組みではない。昨年は開幕四番に抜擢されたが、22試合出場で打率.139、1本塁打、5打点と期待に応えられなかった。打撃不振に加え、シーズン終盤に左脇腹痛で戦線離脱。「開幕四番で使ってもらって、なかなか4月、5月は自分のバッティングができずに苦しかった。7月以降はいい状態で秋まで継続してできていたのでそこは収穫かなと思います。期待に応えられる活躍ができないまま1年間終わってしまったのは悔しいですけど、その気持ちを今年にぶつけます。自分のやるべきことをしっかりとやればレギュラーというのはつかめると思っています。そのために何をしたらいいのか考えて頑張ります」と思いを口にしていた。

殻を破れない現状を変えたい思い


 危機感が体を突き動かす。ケガの影響で秋季練習は別メニュー調整だったが、高知で行われた秋季キャンプに志願参加した。井上一樹監督は「『高知に行かせてください』というのを今日の朝に聞いた。絶対に無理やろって言ったんやけど、コーチ陣が絶対に大丈夫と言うから、とりあえず高知のメンバーに入れます」と同行させることを決断。シーズン中に厳しい言葉で叱咤することが目立ったのも、和製大砲の潜在能力を認めているからこそ。昨秋のドラフトではパワー系の即戦力内野手を指名しなかった。指揮官は「もう待ったなし。昂弥とかの奮起をもう1回信じようというのがオレからのメッセージ」とその理由を明かしている。

 秋季キャンプでは「高知に連れて行ってもらえる。自分のやれることをやって、完走できるように体のケアをしっかりしながらやりたい。これだけやったというものをつくりたい」と、バットをひたすら振った。初日は午後だけで1ケース200球のカゴを4セットこなし、「途中で脚がつった。でもとにかく打ち切るだけでした」と汗をぬぐった。

 殻を破れない現状を何とか変えたい。オフの過ごし方にも覚悟が現れていた。103キロから9キロ減の体重94キロと体を絞って今年の春季キャンプに参加。他球団のスコアラーは「体にキレがあるよね。守備が軽快だし、バットがスムーズに出ている。体重は軽くなったけど、飛距離は変わらずに飛ばす。彼は間違いなくホームランアーチストですよ」と評していた。

 春季キャンプで順調な調整ぶりを見せているが、今の石川は一軍を保証されている立場ではない。新外国人選手のミゲル・サノーが加入したことで、このキャンプではジェイソン・ボスラーが三塁に回ってシートノックを受けている。福永裕基は二塁と三塁を守り、若手成長株の森駿太、ゴールデン・グラブ賞を2度受賞した実績を持つ高橋周平も控えている。ライバルが多い中で石川が定位置を奪取するには、打撃で違いを見せなければいけない。春季キャンプの実戦、オープン戦でアピールできるか。

体を絞って野球人生の転機へ


2022年、スリムな体になった清宮は自己最多の18本塁打をマークした[写真=BBM]


 体を絞ったことで、野球人生が好転した選手がいる。清宮幸太郎(日本ハム)だ。2021年に一軍出場なしに終わると、翌22年に就任した新庄剛志監督の指令を受けて9キロ減量した。

 野球評論家の川口和久氏は「オフに顔が変わるくらい太ったヤツはよくいるけど、俺の知る限り、現役野球選手で、あんな短期間で痩せたヤツはいない。しかもホームランバッターはパワーが必要であり、体の大きさが必要という常識の中だもんね。結果が出ず、それだけ追い詰められていたのかもしれないけど、向上心と素直さはすごい。今、打撃好調が続いているけど、一気に大化けするかもしれないね」と週刊ベースボールのコラムで称えていた。清宮は22年に自己最多の18本塁打をマークすると、その後もキャリアを積み重ねてチームの主力打者に成長している。

 石川も清宮のようにはい上がれるか。悔しさを晴らすためにも、今年は勝負の年になる。
週刊ベースボール編集部

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