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巨人の先発陣に新星 他球団の評価高い「クールな即戦力左腕」は

 

実戦で「らしさ」を発揮


今季、鷺宮製作所からドラフト1位で巨人に入団した竹丸


 春季キャンプの疲労がたまった時期でも、「らしさ」を見せた。2月15日の練習試合・広島戦で対外試合デビューを飾ったドラフト1位左腕・竹丸和幸が2回2安打無失点。初回二死一、二塁のピンチを背負ったが、秋山翔吾を145キロ直球で三ゴロに仕留めた。2回は中村奨成を右飛、勝田成を空振り三振、渡邉悠斗を左飛とテンポ良く三者凡退に切り抜けた。

 11日の紅白戦で1回2奪三振の完全投球に続き、順調な調整ぶりをアピール。最速152キロの直球にチェンジアップ、スライダー、カーブ、カットボールと多彩な変化球を操る左腕はゲームメーク能力が高い。社会人・鷺宮製作所で一気に成長し、巨人が昨秋のドラフトで1位指名を事前公表したことからも評価の高さがうかがえる。他球団のスコアラーは「チェンジアップに相当自信を持っているのでしょう。直球も球速以上の威力がある。高橋尚成さんと投球スタイルが重なりますね」と分析した。

1年目から活躍した社会人出身左腕


 チームのムードメーカーだった高橋氏と、クールな印象が強い竹丸はキャラクターが違うかもしれないが、大学、社会人を経て、ドラフト1位で巨人に入団した左腕という共通点を持つ。技巧派左腕としての歩みは新人の2000年から強烈だった。9勝6敗、防御率3.18の好成績をマークし、巨人にドラフト1位で入団した左腕で1年目に初の規定投球回をクリアした。ダイエー(現ソフトバンク)と対戦した日本シリーズでは5戦目に先発登板して完封勝利を飾り、7年ぶりの日本一の原動力に。02年は自身初の10勝をマークして日本一に貢献。その後も先発、抑えで稼働し、07年に14勝4敗、防御率2.75で最優秀防御率、最高勝率(.778)のタイトルを獲得している。

 メジャーに挑戦して移籍1年目にメッツで10勝を挙げるなど、日米通算93勝25セーブをマーク。直球は140キロ台後半と決して速くなかったが、制球力と多彩な変化球で打者を抑える術に長けていた。高橋氏は週刊ベースボールのインタビューで以下のように語っている。

2000年、巨人にドラフト1位で入団した高橋。1年目から素晴らしい活躍を見せた


「小さいころからウチの家族はジャイアンツファンでした。そういう面では、あこがれの球団でプレーできたことはうれしかったし、親の喜ぶ顔を見ることができた。ジャイアンツのすごさ、偉大さ、伝統の厚みというのは外に出てみて、あらためて実感できました。そんなチームで10年プレーしたことは僕の誇りです。と同時に、ジャイアンツがなければ僕は存在しません。本当に感謝しています。入団前には不安がいっぱいで、チームに入ってみるとテレビで見たことのある選手ばかり(苦笑)。この小さい体でどうしたら生き残っていけるかを模索しながらの現役生活でした」

「すべてがいい思い出ですが、伝統あるニューヨークのチーム(メッツ)の一員としてヤンキースと戦うことができたのも印象深いですし、エンゼルスでは西海岸の素晴らしい気候の下、野球ができたのも思い出です。胸を張れる結果は残せませんでしたが、そのすべてが良い思い出で財産です。家族とアメリカで生活できたことも大きかったですね。もちろんつらいこともありましたが、それを加味しても、海を渡って良かったなと思えます」

先発左腕が輝いた背番号「21」


 巨人は高橋尚成、内海哲也(現巨人一軍投手コーチ)と左腕エースが活躍してきた系譜があるが、高橋優貴(現ミキハウス)が21年に11勝を挙げて以来、2ケタ勝利をクリアした左腕が出ていない。24年に8勝を挙げ、さらなる飛躍が期待された井上温大は昨年4勝8敗、防御率3.70と不本意な成績に。横川凱森田駿哉もまだまだ一本立ちしたとは言えない。圧倒的な強さでリーグ制覇を飾った阪神大竹耕太郎伊藤将司高橋遥人伊原陵人と左腕の先発陣が充実していることを考えると、巨人も左腕投手の活躍が大きなポイントになる。

 竹丸がつける背番号「21」は、高橋一三宮本和知、高橋尚成と先発左腕として活躍した先輩たちが背負ってきた特別な番号だ。即戦力として期待が大きい中で、新人王に輝くような活躍を見せられるか。

写真=BBM
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