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昨年は出場機会が激減 岡田彰布氏がキーマンに挙げる「阪神の遊撃手」は

 

打撃復調で取り戻す輝き


昨季は苦しんだが、今季は復活してレギュラーを奪い返したい


 再びはい上がる。阪神の熾烈な遊撃争いで存在をアピールしている選手が、プロ8年目を迎えた木浪聖也だ。今年はキャンプで二軍スタートだったが、虎視眈々と定位置奪回を狙っている。2月18日のシート打撃では岩貞祐太から右中間に二塁打。グリップエンドが太い形状の「こけしバット」を導入し、快音を連発している。シーズンで使うかはまだ決まっていないが、守備力は安定しているだけに打撃が復調すれば輝きを取り戻せる。

 昨年はチームが圧倒的な強さでリーグ制覇を飾ったが、木浪は苦しんだ。72試合出場で打率.193、0本塁打、15打点。「八番・遊撃」で開幕スタメンに名を連ねたが、打撃の調子が上がってこない。6月下旬から1カ月のファーム暮らしを味わい、一軍再昇格後もベンチを温める日が続いた。3年ぶりの2ケタ試合出場にとどまり、ノーアーチで終えたシーズンはプロ初だった。

激戦区となっている遊撃


 遊撃は激戦区だ。小幡竜平熊谷敬宥のほかに、新外国人のキャム・ディベイニーが加入。昨年はパイレーツ3Aで20本塁打を放つなどマイナー通算85本塁打をマーク。内外野を守れるユーテリティープレーヤーで、阪神では遊撃で起用される方針だ。木浪にとっては強力なライバルだが、自分に矢印を向けて攻守で精度を磨くしかない。

 背水の陣から輝いたシーズンが2023年だった。前年は自己ワーストの41試合出場に終わったが、岡田彰布監督が就任して中野拓夢が遊撃から二塁にコンバートされたことにより、遊撃でチャンスをつかむ。自己最多の127試合出場で打率.267、1本塁打、41打点をマーク。短期決戦でも勝負強さが光った。広島と対戦したCSファイナルステージで第2戦にサヨナラ打を放つなど、3試合で10打数5安打、打率.500をマークしてMVPに選出された。

 オリックスと対戦した日本シリーズでも7試合で25打数10安打、打率.400と下位打線で核になり、38年ぶりの日本一に輝く原動力に。遊撃の守備でも広い守備範囲と強肩で何度もチームを救い、自身初のベストナイン、ゴールデン・グラブ賞を受賞した。

「大事なシーズンになる」


 かつての指揮官だった岡田氏は週刊ベースボールのコラムで今年のキーマンに、木浪の名前を挙げている。

「昨年は出場機会が激減した。ショートのポジションを争うライバルが増えた。その中で守りも打撃も精彩を欠いた。さらに今シーズン、競争は激しくなる。従来のライバルに加え、獲得した新外国人もショートを守れるという。さらに内野を守れるという点においてルーキーの立石(立石正広)の名前も挙がっているとか。そこでオレはショートというポジションの難しさを考える。そら簡単に守れて、こなせるポジションやないで。ここを守れるのはホンマに力があって、安定感が求められる。そこを木浪がどう盛り返すか。そこに注目している。実は昨年末、木浪と食事をする機会があってね。そこで今シーズンに向けて、かなりの決意を示していた。本人も分かっているはずよ。今年も昨年のようなら……、そら野球人生の岐路というのか、大事なシーズンになることは間違いない」

 思い描いた活躍ができなかった昨年だが、木浪にとっては大きな学びがあった。

「ベンチで試合を見ていて分かったんです。僕はレギュラーの気持ちしか持っていませんでした。熊(熊谷敬宥)があれだけ毎日準備をしながら、1試合の1プレーあるかないかに懸けて、日々を過ごしてきて、どういう気持ちだったのか。小幡もベンチでじっと出番を待っていたし、糸原(糸原健斗)さんなどもレギュラーから代打となって苦しんだと思うんです。その気持ちが心底分かるようになったんですよね」

「2年前はレギュラーとして優勝を経験しました。今年は、自分の成績が悪い中での優勝。僕にとってはめちゃくちゃ大きな意味のあるそれぞれの2つの優勝です」

 自分を俯瞰して分析できることは大きな強みだ。悔しさを糧に、リーグ連覇へ不可欠な存在を目指す。

写真=BBM
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