際立っていた打撃センス

オープン戦で打率.467とアピールしている田内
プロの世界に年齢は関係ない。3月6日に19歳の誕生日を迎えた
DeNAの
田内真翔が遊撃の定位置獲りへ猛アピールしている。
途中出場した5日の
中日戦(横浜)で、6回二死二、三塁の好機に
福田幸之介の直球をとらえて右中間に2点適時三塁打。9回に二塁の守備で失策したため試合後に笑顔はなかったが、オープン戦で15打数7安打、打率.467をマーク。キャンプで一軍スタートから成長している姿を見せて首脳陣の評価は間違いなく上がっている。他球団のスカウトは「打撃センスが天才的。特にタイミングの取り方がいいので自分の間に引き込んでどんな球にもアジャストできる。
内川聖一(元横浜、
ソフトバンク、
ヤクルト)と重なりますよね」と評する。
現役時代に右打者最高打率.378で首位打者を輝くなど、卓越した打撃技術で通算2186安打をマークした強打者を彷彿とさせる。決して過大評価ではない。おかやま山陽高からドラフト5位で入団した高卒1年目から打撃センスは際立っていた。イースタン・リーグで打率.253、13打点をマーク。シーズン終盤に一軍昇格し、10月1日のヤクルト戦(横浜)で8回に
阪口皓亮からプロ初安打となる中前打を放った。シーズン終了後は中東で新設されたベースボール・ユナイテッドのミッドイースト・ファルコンズに派遣され、現役NPB選手の初安打、初アーチを放ち、最も守備面で貢献した選手に贈られる「Adrian Beltre BEST FIELDER AWARD」を受賞。野球漬けの日々でオフもトレーニングに打ち込み、体に厚みが増した。
高卒2年目で正遊撃手

高卒2年目に遊撃のレギュラーをつかんだ坂本
DeNAは
筒香嘉智、
牧秀悟、
宮崎敏郎、
佐野恵太など強打者が並ぶが、遊撃のレギュラーが固まっていない。昨年はチーム最多の47試合でスタメン出場した
京田陽太を筆頭に、
石上泰輝、
林琢真、
森敬斗が熾烈な競争を繰り広げた。田内も結果を残し続ければ、チャンスは十分にある。他球団を見渡せば、
坂本勇人は高卒2年目の08年に定位置をつかんでいる。「八番・二塁」で
松井秀喜以来の10代で開幕スタメン入りを果たすと、
二岡智宏が故障で戦線離脱したことから遊撃で試合に出続けた。
全試合スタメン出場で打率.257、8本塁打、43打点をマーク。リーグ優勝に貢献し、「高卒1年目から一軍を経験させてもらいました。当時は超一流の先輩方がいっぱい。小笠原(
小笠原道大)さん、
ラミレス、阿部(
阿部慎之助)さんや由伸(
高橋由伸)さん。皆さん、すごく練習を入念にされて、準備にかける時間も長い。何か吸収したい、盗みたいという気持ちを常に持っていました。野球に向き合う姿勢を学びましたね。試合ではミスもたくさんしましたけど、落ち込むこととかはなかったです。どちらかと言うと自分に腹が立って、『くそ! なんでうまくいかんねん!』という気持ちになっていましたね。使ってくれた首脳陣の方たちとカバーしてくださった先輩方に感謝しています」と振り返っている。
一流選手になる心の強さ
プロで輝きを放つために必要な要素は技術だけではない。打撃で結果が出なかったり、守備にミスが出たりしても坂本のように気持ちが弱気にならず成長の糧にできるか。田内も一流の選手になる心の強さを備えている。週刊ベースボールの取材で秘めた決意を口にしている。
「誰にも負けない気持ちで、自分が一番になると思って頑張っていました。守備は下手くそなのでファインプレーはできないですが、来たボールをアウトにできたら100点というつもりです。ベテランの方のプレー中の声掛けや姿勢はとてつもなく、そういうふうになっていかないといけないと思いました。今の僕がどれだけ結果を出しても、レギュラー選手の実力には足りないと思います。しっかり技術と体力をつけて、それがそろった中でレギュラーを獲りにいきたいです。そのために、しっかり練習しないといけないと思います。キャンプはいい環境でできて、学べたことも多いので、一軍に来られてよかったです」。
プロ2年目は大きく飛躍するシーズンにできるか。オープン戦で存在価値を証明する戦いが続く。
写真=BBM