
昨季限りで引退した川端。大勢のファンに向け手を振り、笑顔で球場をあとにした [写真=川口洋邦]
【3月14日
ヤクルト 0-4
オリックス @神宮】
快晴の下でファンに見守られながら一つ時代に幕を下ろした。3月14日のオリックスとのオープン戦(神宮)で、昨季限りで現役を引退したヤクルト・
川端慎吾二軍打撃コーチの引退試合が行われた。
試合前の始球式には、川端コーチの家族が登場。長男が投手、父・末吉さんが捕手を務める中、左打席に立ち、親子三代の共演が実現。2015年に誕生した長男が見事なストライク投球を披露した。「ストライクをちゃんと投げられるかなと心配でスイングを忘れていました。すごく緊張している顔をしていたけど、いい球を投げてくれました」と父としての柔らかな表情を見せた。
ヤクルト一筋20年。代名詞の巧みなバットコントロールで幾度もチームを救ってきた川端は二番・DHでフル出場。スタンドを埋め尽くした超満員のファンが背番号5の最後の雄姿を見守った。

9回二死から遊撃につくと、来田の放った飛球をつかみ笑顔を見せた[写真=川口洋邦]
8回の最終打席を投ゴロで終え、この日4打数無安打。すると9回表で思わぬ展開が待っていた。「ツーアウトから守りにいこうと、ふと思いついた」と
池山隆寛監督からのサプライズで約13年ぶりに遊撃の守備に就いた。盟友の
山田哲人とキャッチボールをして肩をつくり、二死から遊撃のポジションへ。「すごく懐かしかった。(プロ野球人生が)ここから始まったんだなって。ナイターのショートは久々だったので、あの景色は別格な感じがしました」とかみ締めた。
オリックス・
来田涼斗の放った打球が高々と上ると、声を張り上げて取りにいき飛球をつかみ笑顔を見せた。「もうちょっと高かったら、任せようと思ったけど、これならいける。積極的に声を出した」。その瞬間、満員の神宮球場が大きく沸いた。
引退セレモニーでは、家族やお世話になった方々、ファンに向け言葉を綴った。「どんなときでも変わらず応援してくれるヤクルトファンの皆さまが大好きです」と涙を流し、右翼席の応援団に異例のお願い。「(FUNKY MONKEY BΛBY'S(通称ファンモン)の)『悲しみなんて笑い飛ばせ』のチャンステーマをこれからも使っていただけないでしょうか」。後輩思いの川端らしい提案。「チャンスで選手たちに、僕からも背中を押したい」と熱い思いを明かした。二軍の打撃コーチとして若い選手と接し、「ファームで若い選手が打つとめちゃめちゃうれしい。それがやりがいになっている」と話した。

ゲストのファンモンと球場一周 [写真=川口洋邦]
ゲストで登場したファンモンが『悲しみなんて笑い飛ばせ』を歌う中、グラウンドを一周。スタンドを埋めたファンの大熱唱は20年のプロ野球人生をまっとうしたバットマンへの最大のはなむけとなった。