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法政大学野球部が「大学、OBOG会、支援団体」との一枚岩を掲げる理由

 

1回戦での先勝がカギ


法友野球倶楽部・小早川会長[元広島ほか]が主催者を代表して挨拶した [写真=BBM]


 東京六大学リーグ戦は4月11日、神宮球場で開幕する。5日には法友野球倶楽部(法政大学野球部OBOG会)が主催する激励会が川崎市内のホテルで行われた。オール法政神宮友の会、地域の支援者など約100人が出席し、現役部員の学生たちにエールを送った。

 主催者を代表して法友野球倶楽部・小早川毅彦会長があいさつした。まずは、日本武道館で行われた4月3日、入学式のエピソードを明かした。

「武道館の正面近くに、法政のグッズを売っているコーナーがありまして、新入生がタオルを購入していた際『神宮に応援に行こう!』という親子の会話が聞こえてきたんです。野球部の活躍を期待しているんだなと、あらためて実感いたしました。選手一人ひとりが優勝というその期待を背負って、精一杯頑張っていただきたいと思います」

 小早川会長は神宮球場のネット裏で、リーグ戦を観戦している。卒業生であり、元プロ、野球解説者という一歩引いた視点から気づいたことがあったという。現役学生は耳を傾けた。

「昨年までの試合運びを見ていまして1回戦の試合を何とか頑張って、先勝できるようにしてほしいな、と。 バッターであれば、第1打席の一振り、先発ピッチャーならば、最初に投げる一球、守備陣は最初に飛んでくるその打球、それをしっかりとできるようにする。先制点をまず早く取り、2点、3点目と積み重ねる。とにかく最初の『一』というものを大事にし、1回戦を必勝態勢で行けば、勝ち点につながってくのではないか、と思います」

「自由を生き抜く実践知」


オール法政神宮友の会・岡本副会長[左]が主将・藤森を激励した [写真=BBM]


 乾杯の前に、応援支援団体であるオール法政神宮友の会・岡本眞司副会長(法政大学校友会副会長)から、野球部を代表して2026年の主将を務める藤森康淳主将(4年・天理高)に激励金が贈呈された。

 26年は新体制。金光興二前部長の退任により、後任として細井保新部長が挨拶した。

「昨年度まで法学部長を務めておりまして、大学の教学の運営には関わってきたんですけれども、野球経験がまったくなく、私にとって未知の世界でもあり、新たな非常に大きな挑戦になると感じています。キャッチボールすらあまりしたこともない人間なんですけれども、本学の学生たちが野球という競技に、選手あるいはスタッフとして関わっていくことによって、本学が掲げている理念であるところの『自由を生き抜く実践知』を習得していくことを、大学としてサポートしていくことができればなと思っております」

審判員の魅力を発信


今春から審判員となる関氏。リーグ戦運営、野球部は卒業生の熱意によって支えられている[写真=BBM]


 リーグ戦はOBOG会の支援により成り立っている。つまり、卒業生の熱意、サポートなくして運営できない。法友野球倶楽部からの連盟派遣役員(理事、監事、評議員、審判員、審判技術顧問、公式記録員ほか)の紹介があり、今春から新たに審判員となった関和哉氏が紹介され、壇上で挨拶した。審判員は深刻な人材難となっている状況下で、今回の要請を受けた。宇都宮高から一般入試で法大に進学し、野球部では2年生まで投手、3年生以降はマネジャーとして尽力。現在は三井住友海上に勤務している。

「会社には硬式野球部がありません。準硬式野球部を部活動、趣味程度でやるような会社です。今回、人事部や上司に法友野球倶楽部からの審判員の要請を説明した際、過去には前例がないということでした。そこで、東京六大学野球の歴史などを説明すると、社会貢献、会社のPRにもなるし、すごくプラスな話だと受け止めていただいて、今回、さまざまな方面の理解をもらいながら進めてまいりました。実は私、今日誕生日でして、娘2人から『今日、お父さん誕生日ケーキ用意しているけどどこ行くの?』と言われて、ちょっと出かけてくるということで出てきたんです。そんな家族の理解も得ながら、審判員を務めさせていただきたいと思っております。家族、仕事、また皆様への恩返しも含めて、バランスよく邁進してまいりたいと思います。また、審判員の魅力を皆様にも伝えて、もう1名、どなたかやってみたいという方がいらっしゃればと思っております」

身を削る覚悟の主将


 法政大学野球部は大学、OB・OG会、支援団体が一枚岩となって初めて成り立つことを再認識する約2時間の宴席であった。

 主将・藤森は壇上で、2020年春を最後に遠ざかる天皇杯奪還への決意を述べた。

「覚悟と法政大学のプライドを持って選手一同、取り組んでまいりました。今年は自信を持っています。 ただ、その自信だけでは勝てないのが、この東京六大学の厳しさであり、3年間プレーしてきて十分に理解していることです。まだまだ発展途上の選手たちですけど、どうぞ、温かく見守っていただけたらなと思っております。 自分自身も、今年で学生ラストシーズンになりますので、法政大学野球部に本当に身を削る思いで、全身全霊かけてやっていきますので、最後に皆さんと一緒に歓喜の瞬間を分かち合えたらと思っております」

 約40人の学生たちが一言ずつ抱負を語った後、指導陣もマイクを持った。まずは、大島公一監督を側面からサポートしている高村祐助監督だ。

「2月下旬から33試合のオープン戦を積んできましたが、実戦を重ねるごとに学生たちが成長している姿を感じております。先ほど、藤森主将からも話がありましたけど、優勝に対して学生もそうですけど、ここにいる関係各位の方々が一番願っていることだと思っております。そのためにも、今シーズンしっかりと神宮で暴れていきたいと思っております」

 就任3年目の大島監督は1915年創部の野球部の指揮官として、結成101年目を迎える東京六大学野球連盟の歴史と伝統を背負う覚悟を改めて示した。

「私の役割は、今いる学生の思いと、皆さんの期待に応えることだと思っております。実現させるために努力してまいります。選手121人、スタッフ43人。計164人、全員が戦力でございます。 非常に今日、学生たちの挨拶を聞いて、お腹から声が出ているなと思いましたし、私自身もお腹から声を出さないといけないなとつくづく思った次第でございます。 2カ月間、優勝を目指して、天皇杯を手に入れるため、皆さんと一緒に戦っていきたいと思います」

 激励会の最後は恒例のスクラム校歌である。法政大学応援団OBOG会・長裕章会長がリーダー指揮を執り、声高らかに校歌一番を大合唱。リーグ戦開幕に向けて、オール法政が一体となって士気を高めた。

取材・文=岡本朋祐
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