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昨年は打率1割台も復活の兆し 背水の陣からはい上がる「巨人のWBC戦士」は

 

熾烈な定位置争い


自慢の強打を今年は再び一軍で発揮したい


 シーズンが開幕して対戦カードが一巡し、巨人で全試合出場しているのは泉口友汰松本剛トレイ・キャベッジの3選手のみ。各ポジションで熾烈な定位置争いが繰り広げられている中で、捕手も例外ではない。

 今年は岸田行倫大城卓三山瀬慎之助の3選手が開幕一軍登録され、FA移籍2年目の甲斐拓也がファームでスタートになった。14試合を終えて岸田がチーム最多の10試合、山瀬が3試合、大城が1試合で先発マスクをかぶっている。投手との相性などが起用法に反映されているが、正捕手を奪取するためには結果を出すしかない。かつて、「強打の捕手」として活躍した大城は不退転の決意で臨んでいる。

DeNA戦では逆転3ラン


 昨年はプロ入り最少の56試合出場で打率.187、3本塁打、10打点。2度のファーム降格を経験するなど一軍定着すらままならず、先発マスクをかぶったのは3試合のみだった。原辰徳前監督の下で攻守の主力だった時期を過去の栄光にするわけにはいかない。侍ジャパンのメンバーでWBCに出場して大会制覇に貢献した2023年は、シーズンでも134試合出場で打率.281、16本塁打、55打点をマーク。自身初の規定打席に到達し、2度目のベストナインを受賞した。だが、阿部慎之助監督が就任後は出場機会が減少。背水の陣で迎えた今季に久々に笑顔が見られたのが、4月5日のDeNA戦(東京ドーム)だった。

4月5日のDeNA戦では7回に値千金の逆転3ランを放った


 1点差を追いかける7回に代打で起用されると、今季初安打が起死回生の一撃に。セットアッパー・伊勢大夢の149キロ直球を右翼席に叩き込む逆転3ランを放った。その後に8回から今季初のマスクをかぶり、大勢R.マルティネスをリードして逃げ切った。大城は前日4日の同戦で4回に代打で二ゴロを打った際、一塁にヘッドスライディングしている。執念を前面に出した姿勢を野球の神様は見ていた。7日の広島戦(マツダ広島)では「五番・捕手」で今季初の先発マスクをかぶり、7回に左前打を放って2点を奪う口火に。チームは2対5で敗れたため笑顔はなかったが、気持ちを切り替えて前に進むしかない。

得点力低下の懸念を払しょくへ


 本職の捕手や代打要員だけでなく、強打を生かして一塁で起用する可能性が十分に考えられる。今年は一塁に新外国人のボビー・ダルベック、三塁の坂本勇人で開幕戦を戦ったが、坂本が打撃の状態が上がらないため、一塁に増田陸、ダルベックを三塁で起用する布陣でも戦っている。不動の四番だった岡本和真が昨オフにポスティングシステムでブルージェイズに移籍したことで、懸念されるのは得点力の低下だ。巨人OBのウォーレン・クロマティ氏が、週刊ベースボールのコラムで厳しい見通しを指摘している。

「2026年の開幕カードを見終えて、この原稿に取り掛かった。“伝統の一戦”巨人対阪神戦。この3連戦を見て、『今年は巨人に何を期待すればいいんだ?』と首を傾げた人もいたんじゃないかな。それぐらい、顔ぶれが様変わりしていた。岡本和真(現ブルージェイズ)というパワーヒッターを失い、新外国人・ダルベックを中軸に据えた。彼の評価はまだこれからだけれども、キャベッジと2人で三振の山を築きそうな気がする。そもそもキャベッジは、一番バッターではないよね。今の巨人には一番バッターも二番バッターもいない。もちろん、四番もいない。今年は巨人にとって、試行錯誤の年になるだろう。一軍、二軍の入れ替えも多くなるんじゃないかな」

 打線の組み替えが多くなることで、大城にチャンスが巡ってくるだろう。コンタクト能力、長打力はさびついていない。昨年は6月19日の日本ハム戦(東京ドーム)で打線が北山亘基に9回一死まで無安打に抑えられていたが、フォークを右翼席に運び、ノーヒットノーランを阻止。8月9日のDeNA戦(横浜)では、8回一死満塁の好機で代打出場し、決勝点の犠飛を放っている。

 33歳はまだまだ老け込む年ではない。チームに必要とされる役割で、もう一度輝きを取り戻せるか。

写真=BBM
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