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開幕前に定位置の確約なしも…村上宗隆の後継者で期待の「チームリーダー」は

 

広角に打ち分ける打撃技術


今季は開幕から一番で打線を引っ張っている長岡


 首位を走るヤクルトを攻守でけん引するのが、「一番・遊撃」で全試合出場している長岡秀樹だ。

 広角に打ち分ける打撃技術が光る。4月18日の巨人戦(神宮)で4安打の固め打ち。初回に右中間二塁打を放つと、3回に左前打。トレイ・キャベッジが後逸する間に二塁へ進み、古賀優大の左前適時打で先制の本塁を踏んだ。5回にも遊撃内野安打で出塁。最後の一打で歓喜を爆発させた。1点差を追いかける9回。相手守護神のライデル・マルティネスから田中陽翔丸山和郁の連続二塁打で同点に追いつくと、丸山が三盗に成功。長岡は中前にサヨナラ打で勝負を決め、「今年からつば九郎も帰ってきてくれたんで、つば九郎と一緒に神宮球場を盛り上げられるように頑張りたいと思います!」とファンに呼びかけた。

 高卒3年目の2022年に遊撃の定位置をつかみ、139試合出場で打率.241、9本塁打、48打点をマーク。リーグ連覇に貢献し、ゴールデン・グラブ賞を受賞した。その後も主力選手として活躍し、24年は全143試合出場で打率.288、6本塁打、58打点をマーク。163安打で最多安打のタイトルを獲得した。

 球界を代表する遊撃へ順調にステップアップしていたが、昨年に試練に見舞われる。4月26日の中日戦(バンテリン)で走塁の際に右膝を痛めて途中交代。病院で検査を受けて「右膝後十字靱帯損傷」と判明した。この故障で3カ月半離脱したことが響き、67試合出場で打率.243、0本塁打、13打点と悔しいシーズンになった。

結果で示す存在価値


4月18日の巨人戦ではサヨナラ安打を放った[左から長岡、つば九郎、丸山]


 今年はレギュラーの定位置が確約されていたわけではない。新たに就任した池山隆寛監督は「サードの村上(村上宗隆)が抜けることもあって、いったんレギュラーを白紙にすることを決めました。秋季キャンプでは内山(内山壮真)にショートの練習をさせています。もちろん、長岡(長岡秀樹)と競わせるためです。ドラフト1位ルーキーの松下歩叶(法大)は、大学時代にはサードだったので、そのまま村上の代わりに起用するかもしれないし、彼はセカンドもできるというから、哲人の代わりにスタメン起用するかもしれない。サードには茂木(茂木栄五郎)もいる。本当に白紙状態です」と語っていた。

 横一線の競争を勝ち抜くためには、結果で存在価値を示すしかない。長岡は野球ができる喜びをかみしめる大切な存在がいる。昨年限りで現役引退を決断した独立リーグの千葉スカイセイラーズに所属する兄の辰真さんだ。

「兄(長岡辰真さん)が今年限りで引退することになり『お前と対戦したい。それが俺の最後の願いだ』と言われたので、船橋での野球教室のあとにしようという話になりました。僕のいくところには必ず兄がいて、小学校からずっと野球チームでやってきましたけど、ずっと兄の背中を追いかけてきました。兄への思いがあったので、僕も頑張ることができましたし、ありがとうという気持ちとお疲れさまという気持ちですね。兄も野球をやっていて、神宮に来るということはなかなかなかったと思うので、これを機に少しでも神宮に来てもらえればと思います」

得点力をどう増やすかがカギ


 昨年最下位に低迷したヤクルトは開幕ダッシュに成功し、首位を走っている。前阪神監督で野球評論家の岡田彰布氏は週刊ベースボールのコラムで以下のように語っている。

「開幕前、評論家による順位予想は軒並み下位予想。その多くは最下位というものやった。オレも正直、低い評価やったけど、こういうときこそ思い切って戦える、大胆な作戦をとれる……というメリットが生まれるものよ。そういう意味では池山監督のタイプもあって、まさに『ブンブン丸采配』が開幕してからスタートでハマったという感じやったな。でも、このままで行くわけがない。どうしても攻撃力の弱さが気になって仕方ないのだ。打線全体の迫力のなさ。やはり村上(村上宗隆=ホワイトソックス)が抜けた穴はホンマに大きい、大き過ぎるわけで、これから先、池山監督がどう得点力を増やしていけるか。そこがカギやと思う」

「ベンチでの動きを見ていても、池山監督は喜怒哀楽を素直に出し、独特の帽子のかぶり方を含め、いかにも関西人監督といった空気を出している。同じ関西人だけに思うところはあるが、下馬評を覆して、どこまで『旋風』を吹かせることができるか。しっかりと見たいよね」

 大黒柱の村上がメジャーに挑戦し、山田哲人も春季キャンプ中に「左内腹斜筋肉離れ」を発症して戦列を離れている。長岡が新たなチームリーダーとして引っ張る。

写真=BBM
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