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【高校野球】ドジャース・佐々木朗希の恩師が率いる岩手・盛岡白百合学園高が初陣

 

【春季岩手県大会盛岡地区予選】
盛岡三高 4-0 盛岡白百合学園高

 伝統ある女子校の男女共学化により、今年4月に誕生した盛岡白百合学園高野球部。チームを指揮するのは、2019年に佐々木朗希(現ドジャース)を擁し、夏の岩手大会で準優勝した大船渡高を率いた國保陽平監督だ。1年生29人のチームが初の公式戦に臨み、その歴史の一歩を刻んだ。

フレッシュに第一歩


初の公式戦に臨んだ盛岡白百合学園高野球部[写真=BBM]


「さぁ、行こう!」

 攻撃を前に、円陣で掛け合う声が、晴れ渡った青空に響いた。

 4月25日、盛岡白百合学園高ナインが迎えた初の公式戦。春季岩手県大会盛岡地区予選の初日、盛岡市のきたぎんボールパークで、近年では2023年夏の岩手大会準優勝など盛岡地区の実力校として知られる盛岡三高と対戦した。

 初回、バッテリーミスで1点を失ったものの、背番号1の先発・村上大雅は崩れない。2回は走者を背負いつつも無失点、3回は三者凡退で二番手以降にバトンをつなぐ。計6投手が登板する中、4、6、7回にも1点ずつを失うが、いずれも要所の堅守で2点目は許さない。

 一方で、打線は6回を終えて無安打。終盤に差し掛かった7回、先頭は二番・伊藤仁。相手チームでプレーする兄や友人を意識し、「絶対に打ってやろう」と意気込んで振り抜いた外角のスライダーは、右前に落ちて初安打を記録。この一打が勢いを呼び、3連打で無死満塁の好機を演出。けん制死や後続の凡退で初得点はならなかったものの、1年生チームの意地を見せた。

1年生チームの意地


試合中、マウンドに集まり笑顔を見せる選手たち[写真=BBM]


 0対4で敗れはしたが、國保陽平監督は確かな手応えも感じていた。「ここまで最少失点でいくのは練習試合ではなかったこと。粘り強く、簡単にアウトにならない攻撃をと話をして、7回の攻撃ができたのは試合の中で成長できた部分。相手のけん制球でやられるなど、学ぶ点も多かった」と振り返る。

 チーム初安打を記録した伊藤仁は「國保先生に学びたいと思って入学した。(監督の指導は)説得力があり、納得してプレーできる。もっともっと、ヒットを打って活躍していきたい」と意気込んだ。

モットーは「前向きに」


チーム初安打を放ち喜びを表現した伊藤仁[写真=BBM]


 1892年創立の女子校が、2026年度から男女共学に舵を切った。今年度は男子105人を含む新入生260人が入学。男女共学化に合わせて部活動も充実させ、國保監督を迎えて硬式野球部の新設を進めてきた。

 野球部員は、盛岡市を中心に各地から集結。学校敷地内には、新たにグラウンドも整備。4月18日には岩手県を代表する強豪・花巻東高と試合を行うなど、対外試合を通して技術を磨いてきた。

 公式戦初戦を前に、國保監督は選手たちに呼び掛けた。

「今日から君たちの高校野球が始まる。まずは全身で高校野球を体感するところから始めよう」

 創部からの期間は、花巻東高との試合という一つの目標に向けて細かな部分を指導してきた。このメッセージは、あらためて選手たちの気持ちを尊重する思いからだった。高校野球を『体感』――持てる力をのびのびと発揮する戦いを引き出した言葉だったのかもしれない。

 主将の前川広翔は「ベンチも含めて全員で元気を出していくことはできた。もっと経験を積んで、一つひとつのプレーを高めていきたい」と初陣を振り返る。

 部のモットーは「前向きに課題に向き合っていくこと」という。一つのミス、一つの結果に落ち込んでいる暇はない。常に成長へと向かって進み続ける。

 前川は「初戦なので、ここから3年生の夏につなげられるように全力で、と考えていた。プレッシャーが結構あったので、普段のキャッチボールなどから緊張感を持ってやっていきたい」と前を向く。

 國保監督は「互いに知恵を絞って考える。ただ考えるのではなく、お互いにいいものを、意見をすり合わせて。そうして支え合っていけるチームになれば」と、歩き出したチームを見つめている。

取材・文=相原礼以奈
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