試練を味わった地方球場

高卒2年目ながら勝ちパターンの一角で奮闘している篠原
西武の高卒2年目右腕・
篠原響が、中継ぎとしての現在地を冷静に見つめ、さらなる進化を目指している。
今季はここまで31試合(30イニング)に登板し、1勝2敗1セーブ23ホールド、防御率2.10、32奪三振(奪三振率9.60=7月21日現在)をマーク。7回以降を任される勝ちパターンの一角として、着実に存在感を高めてきた。
しかし、7月8日の
楽天戦(那覇)では試練を味わう。2対2の延長10回に四番手で登板したが、2本の適時打を含む3安打3四球を許し3失点。4月10日の
ロッテ戦(県営大宮)以来となる今季2敗目を喫した。
いずれも地方球場での登板だったことから、マウンドの違いも影響したように映ったが、篠原はその見方を否定する。
「マウンドのことは気にならなかったですけど、コンディション的にあの日が悪かったのかなという印象です」
要因として挙げたのは、暑さだった。
「急な暑さもありましたし、地方球場のブルペンもすごく暑かったので、その中でコンディションを登板に合わせるのが難しかったという印象でした」
それでも、一度の失敗を必要以上に引きずることはない。
「まあ、いい時期が続いていたので、そういう時期もあるかなっていうふうには思っています」
日々の数字に目を向ける
高卒1年目の昨季は先発として2試合に登板し、0勝1敗、防御率10.29。まずは一軍の舞台に慣れることが最優先だった。一方、今季は勝ちパターンを担う立場となり、求められるものも大きく変わった。
「去年と今年では中継ぎと先発で違うので、意識はもちろん違いますし、より結果が求められる場所なので、自分の成績はより意識しますね」
だからこそ、日々の数字にも目を向ける。
「定期的にチームメートとの比較だったり、もちろん他球団とかもそうだし、細かい数値も見るようにはしています」
数ある指標の中でも、とりわけ重視しているのが奪三振率だ。
「今シーズンの一番いい時で12.00から13.00ぐらいだった。まあ、それをキープしたいとは思わないですけど、現状は(9.60に)下がっているんで、その現実はすごく受け止めています」
その原因も、自身では明確に把握している。
「ストレートでファウルが取れないっていうのが一番ですし、ストレートでファウルが取れないから三振も取れない。もちろん1イニングに2個以上取らないといけない数値なので難しい部分はありますけど、そこを目指している中で、今は悔しい部分はあるかな、と」
直球で押すスタイルは変えない
将来的には先発へ再転向する可能性もあるが、今は中継ぎとして理想の投球像を追い求めている。
「先発はもう少し違うところの防御率など、ゲームメークの力を目指していきたいですけど、今は中継ぎなので、いかに(試合を)支配できるかというところを意識しています」
好成績を残してきたことで、相手打者の攻め方にも変化を感じている。
「研究かどうか分からないですけど、自分は真っすぐが多いピッチャーなので、その真っすぐを初球から振ってきているというのは明らかですし、そこをどう対応していくかが今の課題かなと思います」
それでも、自らの武器である直球で押すスタイルを変えるつもりはない。
「真っすぐを打たれたら、結局三振が取れないので。全球変化球でもいいのかもしれないですけど、そんなピッチングをしても今後に生きないかなと思っています」
だからこそ、改善すべきポイントも明確だ。
「シーズン序盤も真っすぐを待っていない打者はいなかったので、その中でファウルを取れていました。どこに投げるかもそうですし、ある程度ストレートの質も落ちているかもしれない。そういうところが今の課題なので、そこを改善していきたい」
那覇での敗戦以降、直近4試合で奪三振はゼロ。真夏の連戦で、持ち味だった直球にもわずかな陰りが見え始めている。
それでも、自らの課題から目を背けることなく、一つひとつ原因を分析し、改善への道筋を描く19歳。飛躍のシーズンだからこそ直面した壁を乗り越えた先には、さらなる成長が待っている。
文=伊藤順一 写真=BBM