スケールの大きな打撃が魅力

5年目の今季、与えられたチャンスで結果を出すために奮闘している笹原
巨人が7月25日の
阪神戦(甲子園)で5対1と快勝し、単独首位に浮上した。前日の同戦でドラフト5位の
小濱佑斗がプロ初アーチとなる決勝弾を放ち、大卒2年目の
浦田俊輔、高卒2年目の
石塚裕惺と若手の活躍が目立つ中、育成からたたき上げのこの選手も評価を高めている。高卒5年目の
笹原操希だ。
25日の同戦にプロ初の三番で起用されたことが期待の大きさを物語っている。5回に先頭打者で
ダウリ・モレッタから左前安打を放つと、プロ初盗塁の二盗をマーク。得点には結びつかなかったが勝利に貢献した。
広角に長打を放つスケールの大きい打撃が魅力だ。6月25日に支配下に再昇格すると、「七番・右翼」でスタメン出場した7月5日の
中日戦(バンテ
リン)で、
金丸夢斗が初球に投じた150キロ直球を右翼のホームランウイングに運ぶプロ初アーチ。16日の
ヤクルト戦(神宮)で5回に一塁でけん制死したが、同点の7回に右翼ポール際へ決勝2ランを放って名誉挽回した。20日の
広島戦(東京ドーム)では1点差を追いかける6回二死満塁の好機で、
床田寛樹の内角に食い込むスライダーを左翼線にライナーではじき返す走者一掃の逆転適時二塁打。殊勲の一打に、二塁ベース上でベンチに向かって両手を突き上げた。
19試合出場で打率.259、2本塁打、9打点。出塁率と長打率を足し合わせた数値を示すOPSは.761と高い。他球団のスコアラーは「懐が深く、タイミングを合わせるのがうまい。スイングスピードが速く、リストが強いので引っ張りだけでなく、逆方向にも打球が飛ぶ。
鈴木誠也(カブス)と重なりますね。ファームのときから良い選手だなと思って見ていましたが、一軍で打席を重ねて対応力が確実に上がっている」と警戒を口にする。
一軍とファームの投手の違い
何度もはい上がってきた。昨年4月に支配下昇格したが、一軍で13試合出場して20打数2安打、打率.100でアピールするまでには至らなかった。笹原は一軍とファームの投手の違いについて、週刊ベースボールのインタビューで以下のように語っていた。
「ボールのスピードについてはそんなにびっくりするという感じではなかったですけど、やっぱりコントロールが一番大きな違いかなと思いました。その上で、意外に真っすぐを投げてこない。バッティングカウントになっても、簡単にストライクを取りにくるのではなく、変化球をいいところに投げられて、それを振ってしまいました。自分からカウントを悪くしてしまっていたところがあったので、そういった部分で考え方が変わった部分はあります。基本は真っすぐをしっかり打ち返していきたいんですけど、今は割り切ることも必要かなと思っています。もちろん相手投手や状況によって変わるんですけど、例えば高めのストレートを仕留めるために、変化球や低めの真っすぐで見逃し三振することがあっても仕方がない。逆に変化球を狙っているときに、真っすぐ2球で追い込まれてしまっても仕方がない。そういったことを考えている打席も結構ありますね」
岡本和真からの助言
昨オフにポスティングシステムでブルージェイズに移籍した
岡本和真から受けた助言を大切にしている。
「和真さんからは『どのボールをどこに打ち返す』という考え方だけではなく、『どのボールのどの高さのボールを、どういう打球でどこに打ち返す』というところまで意識したらいいと思うよ」ということは言っていただきました。漠然と打席に入っていては結果が出ない。それが先ほど言ったコースや球種の割り切りというところにもつながっています」
昨オフに育成再契約となったが、一軍で培った経験を糧に一回り成長して活躍している。今後は相手バッテリーのマークが厳しくなることが予想されるが、この壁を乗り越えることでレギュラーの座が見えてくる。成り上がりの野球人生は、始まったばかりだ。
写真=BBM