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度重なる故障も「首位打者になれる素材」 他球団から評価高い「中日の巧打者」は

 

攻守にわたる活躍


8月以降、再び打撃の状態を上げていき、チームの力になっている村松


 ケガに強いのも主力選手の証だ。中日村松開人は満身創痍の体で、グラウンドに立ち続けている。

 8月15日の巨人戦(バンテリン)で死球を受けて右肩甲骨を骨折。膝をついたまま動けず、トレーナーに付き添われて一塁ベンチに退いた。長期離脱を覚悟したが、わずか18日後に一軍の舞台に戻ってきた。出場するからには足を引っ張るわけにはいかない。復帰戦となった9月2日の広島戦(バンテリン)で、初回に鈴木健矢のカットボールを右前にはじき返して出塁。5回に右脇腹に死球を受けて球場が騒然となったが、問題がないことを首脳陣に伝えて試合に出続ける。

 1点差を追いかける7回に先頭打者で遊撃への内野安打でチャンスメーク。逆転を呼び込んだ。守備でも1点リードの8回一死三塁のピンチでサンドロ・ファビアンが放った打球を堅実に処理し、本塁に正確な送球で俊足の大盛穂をタッチアウトに。攻守にわたる活躍で6連敗を阻止した。

危機感が突き動かす体


 今季は開幕から下位を打つことが多かったが、好調な打撃を維持すると一番、三番を打つ機会が増えていった。常に万全のコンディションだったわけではない。週刊ベースボールの取材で明かしている。

「5月24日の広島戦(バンテリン)の守備中に右手首を痛めました。二遊間への飛球に飛び付いた際、右手がグラウンドを滑らなかった、というような形となってひねりました。すぐに病院へ行きました。球場へ戻って来たとき、タクシーを下車するときに固定する装具を外して、チームへ報告しました。痛みも違和感もあります。ですが、やれるかどうか。僕、個人としてはやれます。昨季は54試合で、今季は開幕から使い続けてもらっています。今頑張らないと先がない。いろいろな先輩を見たり、話を聞いたりしても万全で体にまったく不安のない状態でプレーしている選手などいません。ゲームに出続けてチーム内のポジションを確立したいです」

 危機感が体を突き動かす。試合に出続けて勝利のために全力を尽くすことにより、ファン投票で自身初となる球宴出場を果たした。6月29日の最終中間発表時点では長岡秀樹(ヤクルト)に約3万票の差をつけられていたが、ここから差しきった。遊撃部門でファン投票選出は、07年の井端弘和以来球団史上19年ぶりだった。

「票が集まっていると聞いて、すごくうれしかった。モチベーションもすごい。投票してくださったドラゴンズファン、野球ファンには感謝しかありません。いいときも悪いときもありましたが、このような結果になってとてもうれしいです。ありがとうございます」

先輩左打者と重なる打撃


 6、7月と打撃が落ちた時期があったが、8月は打率.326、9月は打率.350と上昇気流に乗っている。110試合出場で打率.259、5本塁打、38打点。この数字以上にチームにプラスアルファを与えている。選球眼が良く、出塁率.356はリーグ6位。6本の三塁打はリーグトップで、サヨナラ打を3本放つなど勝負強さが光る。他球団の首脳陣は「緩急に崩されず、自分の間でボールにコンタクトできる。打者のタイプとして大島洋平(中日)と重なります。首位打者になれる可能性を秘めた素材ですよ」と高い評価を口にする。

 ケガからはい上がる強い精神力は、プロ入り前から見せていた。明大の4年時に右膝の手術を受けると、二塁の先発で復帰した秋のリーグ戦で打率.348、出塁率.434と活躍。同年春のリーグ戦に続いて頂点に立つと、11月の明治神宮大会でも6年ぶりの日本一に。主将としてチームを引っ張る姿は後輩のお手本になった。

 中日に入団後は優勝争いの経験がない。今年も厳しい戦いが続き、残り16試合で3位・DeNAを5.5ゲーム差で追いかけている。逆転でのCS進出に向け、勝ち続けて差を縮めるしかない。村松も当然あきらめていない。チームに勢いをつけるためにダイヤモンドを疾走する。

写真=BBM
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