ファーム全体トップの19本塁打

今年4月には一軍でプロ初本塁打。“第2号”が今季中に飛び出すか
西武6年目の
仲三優太が、ファームの本塁打王争いで先頭を走っている。
ここまでファーム・リーグ中地区で89試合に出場し、打率.289、19本塁打、64打点をマーク。5月には21試合で打率.288、5本塁打、18打点を記録して月間MVPを受賞した。6月の不振を脱すると、7月、8月はともに5本塁打を放ち、ファーム全体トップの19本塁打まで伸ばした。区切りの20本塁打にも王手をかけている。
「毎月コンスタントに5本ずつ打てている月が続いている。状態的には良く、自分のスイングができているかなと思います」
23歳のスラッガーは、夏場の好調をそう振り返る。ただ、もちろん目標はファームの本塁打王ではない。残り15試合となった一軍公式戦で打線に加わり、チームの上位進出に貢献することだ。
「まだ経験がないので、ポストシーズンに出てみたいですね」
そう語る仲三が、現在の課題として挙げるのが、一軍で自分のスイングを出し切ることだ。
「一軍に上がった時に強い打球というか、自分のスイングができるようにはしていきたい。(ファームの)試合でも一軍の配球をイメージしながら打席に立っています。基本的には先発ピッチャーを打たないことには、打席数は回ってこない。もしくは、代打で出たときの勝ちパターンの右投手の真っすぐを打つことをイメージしながら練習をしています」
今季は2度、一軍に昇格した。4月7日の
ソフトバンク戦(みずほPayPay)では
大関友久からプロ初本塁打を放ったものの、通算11試合で打率.129、1本塁打、3打点、17三振。思い描くような結果を残すことはできなかった。二軍とはボールのキレや精度が違う一軍投手の緩急にタイミングを外され、三振を重ねた。緩急で体を前に出されることを気にするあまり、スイングそのものが小さくなってしまった時期もあった。
焦らずに落ち着いて『いらっしゃい』
そんな仲三に、
小関竜也ファーム監督は「一軍のいいピッチャーと対戦すると、当てることにばかり気を取られ、本来できていたことまでできなくなる」と指摘した。当てにいくのではなく、自分のポイントまでしっかりボールを呼び込み、振り切る。本来の打撃を取り戻すことで、仲三は再び自分のスイングを取り戻していった。
「よし来た! では力が入ってミスショットをしてしまう。打席の中では、焦らずに落ち着いて、『いらっしゃい、いらっしゃい』といった気持ちでボールを待っています」
ファームで本塁打を量産する一方、一軍ではまだ十分な結果を残せていない。その差を埋めるため、仲三が取り組んできたのは、「当てにいく」のではなく、自分のスイングを貫くことだった。
一軍の公式戦は残り15試合。20本塁打という区切りの数字の先には、一軍再昇格、そして自身初のポストシーズンが待っている。6年目のスラッガーは、残されたチャンスで結果を残し、一軍定着への足掛かりをつかもうとしている。
文=伊藤順一 写真=BBM