週刊ベースボールONLINE

大学野球リポート

【大学野球】明大・榊原七斗が「阪神・近本光司二世」の評価を受ける理由

 

次カードにつなげた第6打席


明大・榊原は歴代25位タイの12号。ホームランボールを手に笑顔を見せる[写真=矢野寿明]


▽東京六大学リーグ戦第2週(9月22日)
明大17−3東大(明大2勝)
 内容の濃い打席だった。13対0で迎えた9回表、明大は攻撃の手を緩めない。2点を加点すると、二死三塁から三番・榊原七斗(4年・報徳学園)が2ラン。主砲の一発で17安打17得点の猛打を締めた。ワンサイドの展開でやや大味になりそうな第6打席こそ、集中力を高めた。

「相手投手が左だったので、来週の早稲田戦につながる良い1打席にしよう、と。終わりが良かったので、次の試合に向けて良いイメージで入れる。意識づけができた打席でした」

 リーグ戦通算12号は、歴代25位タイにランクインされる。明大では18本塁打の広澤克実(元ヤクルトほか)、13本塁打の中村豊(元阪神ほか)に次ぐ3位である。
 
「光栄です。自分の中ではヒットを狙っていった中で、うまく角度をつけることができたときに、自然と長打、さらにはホームランにつながっていると思うので、12本という数字は正直、驚きではあります」

 本塁打よりも、こだわりの数字がある。今秋のリーグ戦開幕時点で打率.298。「通算3割」を目標としており、東大との開幕カードは2試合で10打数4安打を記録し、打率.302と大台を越えた。言うまでもなく、学生ラストシーズンはまだ始まったばかりである。

「最後、終わったときに3割という結果がほしいので、1試合で複数安打を目指していきたいです。自分の一打がチームの勢い、チームの勝利につながる一打にしたいと思っています」

対応力の高さはプロ向き


東大2回戦。9回表の第6打席での豪快な一発。大量リードにも集中力を切らさなかった[写真=矢野寿明]


 攻守走3拍子そろう外野手の榊原は、今秋のドラフト上位候補に挙がる。ネット裏で視察したある球団のスカウト幹部はこう評価する。

「今年の対象選手を見渡すと、(1位候補の)野手が少ない傾向にあり、補強ポイントに合致した球団は、いの一番で獲得を目指すのではないかと思います」

 左投げ左打ちの外野手。榊󠄀原は将来像として阪神・近本光司のように、長くプロの世界で活躍するリードオフマンを目指していきたいという。前出のスカウト幹部も「近本二世」の可能性を示唆する。

「明治では1年時から大舞台を経験し、大学日本代表でも結果を残している。国際試合での実績は対応力という意味でもプロ向き。活躍するイメージが湧く選手です。明治は各年代の選手が良い伝統を残しており、それが、彼にもつながっているのではないかと思います」

 明大は昨年のドラフトまで、歴代最長の16年連続で指名を受けている。榊原は3学年上の上田希由翔ロッテ1位)、2学年上の宗山塁楽天1位)、1学年上の小島大河西武1位)の取り組みを間近で見てきており、意識レベルが相当高い。

元NPBスカウトが太鼓判


 島岡寮に寝泊まりして指導する83歳の明大・松岡功祐コーチ(元大洋・横浜スカウト)は「本当に努力する選手です。継続して、コツコツと練習ができる。それが力になる。一切の手抜きがない。プロではトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)の可能性も秘めている」と目を細める。周囲がヒートアップしても、榊原は冷静である。昨夏以降は、MLBスカウトも視察に訪れるなど注目を集めていたが、NPB一本の方針を明らかにしている。

「まずは NPB というか、日本のプロ野球の世界でしっかりと結果を残した上で、もし可能性があるならば、というところです。未熟なので、自分はまだそこに食い込めるかどうかも分からないので、しっかりとした下準備というか、積み上げていきたいなと思っています」

 まずは、チームを昨秋以来の天皇杯奪還へと導くのが、4年生としての「使命」である。

取材・文=岡本朋祐
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング