打のキーマンはカナリオ

チームにとって4年ぶりのCSへ意気込みを語る西口監督
「パーソル クライマックスシリーズ・パ」の前日会見が10月9日、ベルーナドームで行われた。
日本ハム・
新庄剛志監督は、
西武・
西口文也監督について「サヨナラ勝ちしても喜ばない。このポーカーフェイスっていうのはものすごく不気味。今年急激に成績が伸びたのも西口監督のテクニックというか、頭の良さ、特にピッチャーに関してはすごい教育したと思う」と独特の表現で評価した。これを受けた西口監督も「いや、何をしてくるか、何を仕掛けてくるかまったく分からないので、不気味ではありますね」と応じ、相手指揮官への警戒感を口にした。
シーズン終盤まで激しい2位争いを繰り広げた両軍の今季対戦成績は12勝12敗1分け。まさに互角の戦いだった。西口監督は「ウチは打線がどれだけつながるかがキーになる。日本ハムさんとは今年五分で、ホームでは負けているんですけど、何とか勝っていきたい」と意気込みを語った。打線のキーマンには、来日1年目でチーム最多の133試合に出場した
カナリオを挙げ、「カナリオが打ってくれると、チームの雰囲気が乗ってくる」と期待を寄せた。
一方、4年ぶりのCS出場となる西武には、気になる過去のデータがある。リーグ連覇を果たした2018、19年と22年の直近3度のCSでは、いずれも
ソフトバンクに敗れ、通算1勝10敗。唯一の勝利は18年のファイナルステージ第2戦で、それ以降は9連敗を喫している。
会見でこの不名誉な記録を指摘された西口監督は「言わないでほしかったです。そこは考えずに、一戦必勝で(先発の)平良に託します」と苦笑いを浮かべた。過去3度のCSを経験している選手会長の
外崎修汰も「僕は知らなかったですね」と意に介さず、「2026年の埼玉西武ライオンズとして戦っていきます!」と前を向いた。

選手会長の外崎は試合での戦い方のイメージをふくらませている
もっとも、過去の敗戦から学んだことはある。外崎は当時の戦いを「先にドカンとやられているイメージがある」と振り返り、短期決戦での戦い方についてこう語った。
「配球なんかも意外と(シーズン中と)変わらないかな。逆にこっちが考えすぎたら、後手後手になっちゃうイメージがありますね。空振りしようが何しようが、どんどん攻めていった方がいい」
25年目のベテラン、
中村剛也も「配球は大幅に変わることはないと思う。(雰囲気は)違うと言えば違いますね。負けられない試合がずっと続くイメージ。イ
ケイケでいけたら一番いいですけどね。なかなかそうはならない。いいピッチャーがどんどん出てくるので、先制をしていかないと苦しくなる」と語った。
いずれも先制点を許して敗戦
実際、西武が直近3度のCSで喫した10敗は、いずれも先制点を許した試合だった。序盤に主導権を握られ、追いかける展開を強いられたことが、短期決戦での苦戦につながった。だからこそ、今回のファーストステージでは、先制点を奪う攻撃と、それを守り切る投手力が重要になる。
18、19年のCSを選手として経験した
熊代聖人外野守備・走塁コーチも、投手力を生かした戦い方を強調する。
「まずはピッチャーを中心にした守りだと思う。ホームゲームなのでまずは守りが大事。今年のシーズンも先行している試合はかなりの勝率で勝っている。まず先制点をあげないように、ピッチャーを含めて守りからいいリズムをつくっていければ自分たちの流れが来る。先制して中押し、ダメ押しできるのがベストですけど、先行逃げ切りというのがウチの形。今のチーム構成で考えると、ピッチャーがダントツでいいので、その強みを生かしつつ、守り中心にやっていければ」
過去3度のCSではソフトバンクに苦杯をなめてきた西武。今回は対戦相手が変わり、本拠地ベルーナドームでの戦いとなる。投手陣を軸に守りからリズムをつくり、打線が早い段階で援護できるか。過去の苦い経験を糧に、4年ぶりの短期決戦に挑む。
文=伊藤順一 写真=BBM