さらなる高みを目指す姿勢

今季は2年連続2ケタ勝利をマーク。防御率もリーグ2位と好成績だった
西武・
隅田知一郎が、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に始まり、10月のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージまで、8カ月に及んだ長丁場の1年を振り返った。
プロ5年目の今季は23試合に登板し、10勝8敗、防御率2.27をマーク。2年連続の2ケタ勝利を達成するとともに、負け数をプロ入り後初めて1ケタにとどめた。防御率はチームメートの
平良海馬(1.36)に次ぐリーグ2位で、自己最多となる4完投(3完封)も記録。平良、
高橋光成が移籍する可能性のある来季は、名実ともに先発ローテーションの柱として期待される。
初選出されたWBCでは、使用球の違いも経験した。代表活動を終えてからのシーズンへの調整について、隅田は「シーズンの準備が早かったというのはありました。あとは個人差があると思います。ボールが変わるので、それに対して嫌だと思う人もいれば、僕みたいにそんなにストレスがかかってないという人もいる」と説明。NPB球の感覚を取り戻すまで、それほど時間はかからなかったという。
「オープン戦と公式戦で、1試合か2試合投げたらもう大丈夫だったと思います。開幕段階ではまだ合ってはいなかったですけど、4月中には(感覚が)戻っていた感じがします」
長いシーズンを戦い抜いた一方で、さらなる高みを目指す姿勢に変わりはない。目指していた防御率1点台を実現するための課題については「やっぱり本塁打の数(11本)を減らさないといけないと思いますし、減らすためには、よりストレートの強さとか、コントロールというところを磨く必要がある」と明確に口にした。
大きくなる求められる役割
8月に27歳を迎えた左腕は、当面30歳までの成長を見据えている。「まだ27歳なので、30歳ぐらいまではとにかく成長できるようにと思ってやっています。そんなに天井を決めてないっていう感じです」。自身の現在地についても「より自分はどういう選手なのかっていうところが固まってくる(年齢)」と捉えている。
先発投手として何より大切にしているのは、年間を通してローテーションを守り続けることだ。「今のところはケガもそんなにしていないですし、(毎年)イニングもそれなりに増えてるので、そういう点では」と手応えを口にし、「そこがやっぱりチームに貢献できるところになってくる」と続けた。
現状に満足するつもりはない。取り組んでいる鴻江寿治氏とのトレーニングを継続させながら「戻ってくるところはここかな、と思いますが、もっと良くなるためには、と考えるといろんな選択肢があると思う」とさらなる可能性を模索している。週1、2回というウエート・トレーニングも含め、自分に合った方法を探りながら成長を追い求めている。
来季は先発陣の顔ぶれが大きく変わる可能性がある。チームを背負う立場になるからこそ、隅田に求められる役割も大きくなる。侍ジャパンで世界との差を経験し、シーズンの長丁場を投げ抜いた左腕が、次に目指すのは防御率1点台と、ライオンズのエースとなるべく飛躍だ。
文=伊藤順一 写真=BBM