3連覇をめざすオリックスが今年も上位で戦っている。投打ともに力を発揮し、雰囲気も明るい。チームを21年、22年とコーチ兼任投手として支えた能見篤史さん(元阪神、オリックス)は、選手たちから絶大な信頼を得てきた。能見さんはどんな場面で、どんな言葉をかけていたのか。6月に刊行された初の自著『#みんな大好き能見さんの美学』(ベースボール・マガジン社刊)より抜粋しご紹介しよう。今回は、現在レッドソックスで活躍する吉田正尚への言葉。 能見さんから質問して情報収集

今季からレッドソックスでプレーしている吉田
野手との交流もありました。
たとえば、吉田正尚(現ボストン・レッドソックス)。23年WBCでの活躍は見事でしたが、オリックス時代から素晴らしい選手だと思っていたので、僕からいろいろ質問していました。
「こういうカウントだと大体、何を待ってるの?」
「あのカウントであそこのボール待つの?」
阪神のときから
金本知憲さんや
福留孝介さんには聞いていました。
「僕と対戦するとしたら、どう待ちます?」
打者目線の意見はとても参考になりますし、成績を残しているのには必ず理由があるはずです。
鳥谷敬にも聞きました。
「どこに目付けしてる?」
ピッチャーが安全なコースだと思って投げた球が、実はバッターに待たれていることもあります。「裏」と思って投げた球が、打者にとっては「表」だったり。それは聞かないと分からないのですが、敵は教えてくれませんから、味方から情報収集するわけです。
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