2025年を迎えたばかりだが、新しいシーズンに向けて、すでに戦いは始まっている。ここでは首脳陣を含めた全球団の布陣を紹介する。どのチームも前年よりパワーアップしているのは間違いない。
写真=BBM
※情報は1月5日現在　チーム打率、チーム防御率の[]数字は2024年のリーグ順位


【2024年成績】パ6位 49勝91敗3分、勝率.350、チーム打率.212[6]、チーム防御率3.02[4]

　借金42を数え、首位・ソフトバンクとは42ゲーム差の最下位と歴史的大敗を喫した2024年。かつてプロ野球記録の25年連続Aクラスを達成した強さは見る影もなくなった。どん底からの逆襲を誓うが従前どおりの方法では浮上は望めない。そこで西口文也ファーム監督を一軍監督に昇格させた25年、球団内部以外で5人のコーチを呼び寄せた。その中で鳥越裕介ヘッドコーチ、仁志敏久野手チーフ兼打撃コーチ、大引啓次内野守備・走塁コーチ、辻竜太郎二軍野手コーチは西武のユニフォームを着たことがない外部招へいだ。

　特に期待がかかるのは鳥越ヘッドコーチだろう。現役時代は中日、ダイエー・ソフトバンクで内野手としてプレー。ソフトバンク、ロッテで一軍コーチ、二軍監督を務めるなど指導者経験も豊富。野球に対して厳しさを持ち合わせており、今までにない視点や考え方をチームに注入して改革を図る。また、仁志チーフ兼打撃コーチも抜群の“野球脳”を持つ人材だ。パ・リーグ史上ワーストのチーム打率.212に終わり、極端な得点力不足に陥った打線に刺激を与える。

　打線に関しては昨年、オリックスで打率.260、15本塁打を放ったセデーニョが加入。西口監督も「パンチ力は魅力的。日本を経験しているのも大きい。どれくらい打ってくれるか楽しみ」と大いに期待している。クリーンアップでセデーニョが機能することが最下位脱出の必須条件となるだろう。

　投手陣では西口監督たっての希望で平良海馬を守護神に固定。昨年、先発陣はリーグ2位の防御率2.85をマークしたがリリーフ陣の安定感を増して、守り勝つ野球を強固にしていく。

　また、西口監督はキャプテン制を敷かない方針だ。一人ひとりに自覚を持たせる構えだが、それは指揮官のエース観にも表れる。「先発ローテに入る投手は全員、『自分がエースだ』という気持ちでマウンドに上がってほしい」。しっかり責任感を持つことを望む。

『育成のライオンズ』も推し進める。育成選手30人は12球団で3番目の多さ。指導に定評のある土肥義弘氏がファーム投手総合コーチ、田邊徳雄氏が三軍野手コーチで現場復帰。若獅子の成長を促し、チームの基盤を固めていく。

埼玉西武ライオンズ2025 メンバー表

【監督】
74西口文也

【一軍コーチ】
〇91鳥越裕介、81豊田清、95大石達也、96中田祥多、〇78仁志敏久、□83立花義家、〇80大引啓次、84熊代聖人

【ファーム監督】
79小関竜也

【ファームコーチ】
□72土肥義弘、〇98渡辺智男、93青木勇人、85榎田大樹

【二軍コーチ】
82野田浩輔、87黒田哲史、〇77辻竜太郎、86赤田将吾、88大島裕行

【三軍コーチ】
97青木智史、□76田邊徳雄、94鬼崎裕司、〇89木村文紀

【投手】
11上田大河、12渡邉勇太朗、13高橋光成、15與座海人、16隅田知一郎、17松本航、19佐藤隼輔、20田村伊知郎、21武内夏暉、23糸川亮太、25平井克典、29青山美夏人、34甲斐野央、36山田陽翔、41成田晴風、42ボー・タカハシ、43羽田慎之介、☆46狩生尚真、47杉山遙希、48今井達也、☆52篠原響、〇56エマニュエル・ラミレス、57黒田将矢、58中村祐太、61平良海馬、69水上由伸、70豆田泰志、71菅井信也

【育成投手】
◆111浜屋将太、◆112大曲錬、114上間永遠、115佐々木健、116ビクター・ロペス、◆117宮澤太成、120井上広輝、121三浦大輝、※123冨士大和、125シンクレア、127森脇亮介、129川下将勲、131木瀬翔太、※133佐藤爽、△136黒木優太

【捕手】
22古賀悠斗、27炭谷銀仁朗、37柘植世那、53牧野翔矢、☆64龍山暖、65古市尊

【育成捕手】
◆113野田海人、122是澤涼輔

【内野手】
0児玉亮涼、☆2齋藤大翔、4山野辺翔、5外崎修汰、6源田壮亮、10佐藤龍世、30元山飛優、32山村崇嘉、△39平沢大河、△40セデーニョ、50高松渡、☆59古賀輝希、60中村剛也、62滝澤夏央、■66渡部健人、67野村大樹、99村田怜音

【育成内野手】
118野村和輝、126谷口朝陽、※128佐藤太陽、130金子功児、134川野涼多、※138福尾遥真、△140仲田慶介

【外野手】
1栗山巧、☆8渡部聖弥、9蛭間拓哉、31平沼翔太、33古川雄大、35松原聖弥、☆44林冠臣、51西川愛也、63長谷川信哉、68岸潤一郎、75奥村光一

【育成外野手】
119モンテル、◆124アンソニー・ガルシア、※132ラタナヤケ・ラマル・ギービン、135仲三河優太、※137澤田遥斗、※139ウメビンユオ・オケム明

[注釈]〇=新加入、△=移籍、□=復帰、◆=24年オフに支配下から育成、☆=支配下新人、※=育成新人、■=背番号変更、名前横は背番号。