筆者が認めるソフトバンクの正捕手を務める甲斐。現役から唯一の選出となった[写真=榎本郁也]
投手を中心に守り抜く
ペナントレースもそろそろ終幕を迎えようとしている。セ・リーグは
ヤクルトが優勝へのカウントダウンに入り、パ・リーグもこの号が発売されるころには大方の行方が決しているかもしれない。
最近の試合を見ていてあらためて思うのは、やはり野球は投手力がものを言うということだ。打者は打っても3割に過ぎず、日本で4割に届いた選手はいない。エースと言われるほどの投手が絶好調なら、打者は簡単には打てないのだ。打線が爆発して2ケタ得点を記録した翌日の完封負けはよくある話。まさに「打線は水もの」で、計算できるのは守りを含めた投手力だ。
私はバットで成績を残してきた選手だが、もし監督を務めるなら打撃力よりも投手力を重視した守りのチームをつくるだろう。こう言うと誰もが驚くのだが、チームが勝つ可能性を考えたら分かることだ。強いチームというのは1点を奪うこと以上に、1点を守ること、与えないことに長けている。
そこで今回はグラブ特集でもあり、私が選ぶ守りのチームを考えてみたい。守備のベストナインと考えてもらってもいい。あくまで私の意見ということで、ご理解いただきたい。
まずは投手からだが、真っ先に思い浮かぶのは2人の投手だ。
山田久志(阪急)と
堀内恒夫(
巨人)。山田は下手投げの投手だが、高校時代は遊撃手だったこともあってフィールディングが抜群にうまかった。山田とは東映時代に何度も対戦したが、いくつか安打を損した記憶がある。堀内はグラブさばきがうまく、それはおそらく天性のセンスだったろう。練習してできるものではない。山田と堀内は甲乙つけがたく、投手だけは2人にしておこう。
ちなみに大投手と言われる400勝の
金田正一さん(国鉄ほか)、300勝の鈴木(
鈴木啓示、近鉄)などは・・・
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