
昨年、史上最年少で三冠王に輝いた村上宗隆[ヤクルト]。今季はどれだけの成績を残すのか[写真=牛島寿人]
3割打者の少なさ
シーズンはまだ始まったばかりだが、私はここ数年、日本のプロ野球を見ていて不思議に感じていることがある。それは投高打低の傾向が強いことだ。本来なら逆にならなければおかしい。つまりは打高投低だ。投手より打者が有利であって然るべきなのだ。
というのも、打者はマシンを使っていくらでも練習ができる。マシンを使ってのレベルアップが可能なのだ。もちろんマシンを使えば誰もがレベルアップできるというわけではないが、投手はこれができない。レベルアップを図るには自分で投げて鍛えていくしかないのだ。
例えば、打者は160キロの速球を打つためにはマシンを使って何時間でも打撃練習を行うことができるが、投手が160キロを投げるためには徹底的に投げ込んでいくしかない。マシンを使って体を鍛えるトレーニングや走り込みなども必要だろうが、やはり投げ込みなくして球速アップはないはずだ。
さらにバットの質が昔に比べて格段に良くなっている。当たり前のことだが、バットという道具を使う打者に対し、投手は自らの腕一本で勝負している。このあたりも投手のほうが不利な要素だと思う。それに近年はドーム球場ばかりで風の影響は少なく、人工芝で打球も速い。内野の間をゴロで簡単に抜けていくから、投手にとってはたまったものではないだろう。ボールが高く弾んでの内野安打も人工芝ならではで、足の速い打者には有利だ。
そういったことを考えれば、投手より打者が有利であって然るべきなのに投高打低の状態が続いている。これが私には不思議でならないのだ。打者は一体何をやっているのかと言いたくなる。
確かに
山本由伸(
オリックス)、
佐々木朗希(
ロッテ)ら一流の投手がたくさん出てきてはいるが、彼らが昔の大エースのようにフル回転しているわけではない。対戦しても1週間に一度だ。にもかかわらず、強打者たちの打率が上がらないのはなぜだろう。
昨年・・・
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