筆者にオフのゴルフを勧めた武宮寮長
オフのトレーニングの一環
新型コロナ禍の生活の中にあって、さまざまなストレスを感じることが多くなった昨今、人々は野外の活動に目を向けるようになってきた。
そんな中、少人数で自然に囲まれて体を動かせるスポーツとしてプレー人口がさらに増えているのがゴルフだ。プロ野球界でも、シーズンオフを控え、さらに精進すべく来季の準備として取り組むトレーニングの傍ら、ひと時の息抜きとしてゴルフクラブを握る選手も多く、野球以外に身近にあるスポーツと言えば、まずはゴルフという選手もこの世界には多い。
僕も現在、お付き合い程度のプレーはするが、ゴルフ好きの野球選手が多いのはジャイアンツもその例外ではない。ここでは、そんな
巨人軍のゴルフ事情というか、珍プレーなどのセピア色の伝説?を紹介させてもらう(笑)。なお、登場する方々はもちろん、古い話でもあり、「巨人軍広報の回顧録」の連載にふさわしく? 巨人軍関係者の大先輩方や後輩たちであったりすることをまずはお伝えしておく。
「香坂、お前はゴルフはやるのか?」
1980年、僕が巨人軍に入団して1年が過ぎ、初めてのシーズンオフを迎えたときに、当時の巨人軍、
武宮敏明寮長に言われた言葉だ。もちろんゴルフクラブなど握ったことのない僕は「いえ」と一言、鬼寮長の前で小さな声で答えた。「それならばゴルフをやれ。オフのトレーニングの一環だ」と言われた。ほかの若手選手も含めて巨人軍でゴルフをプレーする人の割合は90パーセントくらいと言っていいほど、市民権を得ているレクリエーションだった。プレー前夜は夜更かしもせず、しっかり朝起きて朝食を取り、ゴルフ場へ向かう。カートはなるべく使わず、自分の足で歩く。道具の手入れを怠らず、ルールに則って好スコアを目指す。とはいっても、「好スコアを目指す」ことはそれぞれの目標、心がけであり、現実はそれほど、ゴルフという競技は野球同様、甘いものではなく、惨々たるプレーに終わり、心身ともに打ちのめされる輩も少なくなかった、僕を含めて(笑)。
V9時代、「いぶし銀」と呼ばれ名二塁手として活躍した
土井正三さんも・・・
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