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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「プロにとっても誇り高きポジション」

 

日本人初の内野手メジャー・リーガーにもなった松井稼頭央は、スピーディーかつダイナミックな遊撃守備でファンを魅了し続けた[写真=BBM]


観たいと思わせてくれるナンバーワン・ショート


 アッチョーと響き渡るブルース・リーのテーマソングを思い出す。かつてのライオンズの背番号7、松井稼頭央が打席に入ると、この曲が流れていた。松井がこう話していたことがある。

「(ブルーウェーブ時代の)イチローさんがセカンドベースに来たとき、『稼頭央のあれ、ブルース・リーだろ、いいなぁ』って言うんです。僕、ブルース・リーになりたくて……そういうあこがれ、小っさいときは強いじゃないですか。だから僕、小学生のときは少林寺拳法と野球を両立させていたんです。もし野球でなく少林寺を選んでいたら、格闘系に走っていたかも分かんないですね(笑)」

 この5月、監督業を休養することになり、苦汁を舐めさせられた松井だが、現役時代はこれまでに観てきたたくさんのショートの中でもっとも華やかなプレーヤーだった。そもそも守備は堅実で地味なもの、上手ければ目立たないという考え方もあり、ナンバーワンのショートを順位づけするのは至難の業ではあるのだが、個人的に観たいと思わせてくれるナンバーワンのショートが松井だった。

 ショートの守りについて印象的な話を聞かせてくれた選手は何人もいる。たとえば源田壮亮はミスの重さを実感させられた社会人時代に原点があったのだと言った。

「社会人野球は・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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