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ヤクルト・長岡秀樹インタビュー 妥協を許さぬ心「妥協しないで試合に入る。それは最後まで続けたい」

 

好守に定評がある背番号7は今季、打撃で目覚ましい活躍を見せている。打順は下位から上位に。打席での頼もしさも増してきた。安打数はキャリアハイを更新し、タイトルを狙える位置につける。バットから鳴りやまない快音。発生源はどこにあるのか..。
取材・構成=小林篤 写真=兼村竜介、桜井ひとし

レギュラー3年目で打撃が開花。自身初の一番、三番打者を務めるなど打線の軸となっている[写真=兼村竜介]


手にした新しい感覚


 勢いが止まらない。8月13日、中日戦(神宮)で4安打の固め打ち。3試合連続の猛打賞で安打数はリーグトップに躍り出た。8月は3日から連続試合安打を継続中(25日時点、以下同)。自身初の2日連続本塁打&1試合2発を記録するなど、勝利に導く一打も飛び出している。初の打率3割到達も現実味を帯びてきた。

――8月に入り調子を一段と上げてきました。今季、打撃好調の要因はどこにあると見ていますか。

長岡 いろいろあって、言い出したらきりがないのですが、一軍に出場させてもらって3年目で、徐々に投手に慣れてきたのはあると思います。打撃コーチだけでなく、アナリストさんやスコアラーさん、いろんな方からのアドバイスも大きな力になっています。

――残している数字からしても、手応えを感じていると思います。

長岡 スイングも良くなりましたし、タイミングもうまく、どの投手にも対応ができているなとは思いますね。

――スイングが良くなったというのは、昨年から何か変えたのでしょうか。

長岡 いい軌道になってきたかなとは思います。去年のデータを見ても、右方向(への打球)が多かったので、改善しないといけないなと。スイングの軌道がレベルになってきて、逆方向を狙っているわけじゃないんですけど、勝手にあっち(逆方向)に飛ぶ感覚が出てきました。そんな感覚は今までなかったんですけど。

――打球が逆方向にも飛んでいるということは、状態が良いと考えてもいい。

長岡 ヒットコースに飛んでいるのなら、良いんじゃないかなと思いますね。

――タイミングがうまくとれている点では、どういった変化があるのでしょうか。

長岡 事前の準備がすごくできているので、それが要因の一つじゃないかなとは思います。例えば、クイックのタイムを聞いて、ネクストで投球を見る。「この人はクイックが速いな、じゃあちょっと体重を乗せておこうかな」とか。タイミングをしっかり合わせられれば、(バットの)芯の付近に当たると思いますし、遅れないようにというのは意識していますね。

――初球が打率.411、0ストライク時が打率.404。ともに打率4割超えという結果も出ています。

長岡 去年は初球を凡打して「もったいない」という感情があったんですけど、今年は「この投手のこの球なら振る」とか、「この球は空振りしてもいい、凡退したらしょうがない」と割り切れている部分があります。何がなんでも打ちにいくのではなく、ちゃんと相手のデータも見て、絞ることができているかなと。

――では、対して2ストライクに追い込まれてからの意識はどうでしょう。

長岡 「三振しないように」ですかね。でも・・・

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