まさに号砲だった。オープン戦はチームも自身も苦しむも、楽天との開幕戦(京セラドーム)で先制2ラン本塁打と豪快な幕開け。以降、打線は活発、自身も4月15日まで11試合連続安打をマークするなど打率3割超を維持している。打線のけん引車の意識こそ、首位を走るチーム好調の理由だ。 取材・構成=鶴田成秀 写真=佐藤真一、BBM 生かした“4日間”
不安を抱えていたと言うのが、ウソのように快音を連発。その裏には、開幕直前の4日間がある。オープン戦の感覚を改善したロングティーが、楽天との開幕戦(京セラドーム)での一発につながり、状態を復調させていった。 ──シーズン初打席で先制2ラン本塁打と、開幕から好調を維持している打撃ですが、あの初打席が大きかったのでは。
太田 大きかったと思います。1本出たことで気持ちが楽になったので。
──オープン戦は打率.162と数字の面では苦戦。ご自身の感覚的には、どのような状態で開幕を迎えたのでしょう。
太田 正直、感覚的に良くなくて、不安な気持ちのほうが大きかったんです。なぜかボール1個分、差されている感覚がずっとあって。思ったように(バットでボールを)はじけなかったんですよ。ん? あれ!? みたいな感じが続いて。
──不安要素は『タイミング』と。
太田 と思います。なぜか、うまくタイミングが取れなくて。だから“間(ま)”を取ることを意識したんです。
──左足を上げてからの“間”ですか?
太田 はい。開幕直前から意識していたことなんです。オープン戦が終わって、開幕まで4日間空いたじゃないですか。そこで、意識的に取り組んだのが、ピッチャーに向かっていく時間、その“間”を長く取ること。たぶん、差されていた感覚があったのは、その“間”が短かったのもあると思うんですよ。
──練習では、ロングティーを精力的にやっていました。
太田 打球飛距離も見られるので、体を大きく使う意識づけも同時にできる。間を取ることを意識し過ぎて、スイングが小さくなっても意味がないとも思っていて、あとは打球の質もチェックできるじゃないですか。足を上げてからの間を取りつつ、体を大きく使って、打球を飛ばす。それもドライブしたり、スライスしたりせず、真っすぐキレイに飛んでいくかも見て。間を取りつつ、スイング自体も大事にして打球の質を見る。だから、足を上げてからの“間”を意識して、ロングティーをしていたんです。
──開幕戦の本塁打につながるわけですが、手応え十分の長打を放つと「無意識にスイングが大きくなってしまった」という声も聞かれるところです。
太田 その経験、僕もあります。でも今回は・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン