セ・リーグ、パ・リーグともに巨人、ソフトバンクが4年ぶりのリーグ優勝を果たした2024シーズン。しかし、ポストシーズンで波乱が起きた。パはソフトバンクが日本シリーズまでコマを進めたが、セは3位・DeNAがクライマックスシリーズを勝ち抜き頂上決戦へ。日本一を争う場でもDeNAは勢いを加速させ下克上Vを完遂。ファンを熱狂させた激闘の記憶――。セ・パ12球団の2024年の軌跡を振り返っていこう。 【シーズン成績】143試合60勝75敗8分勝率.444 開幕カードの
ヤクルト戦は2敗1分けに終わったものの、本拠地バンテリンに戻ってからは投打の歯車ががっちりとかみ合い、9年ぶりにセ・リーグ10勝一番乗り。「だから昨年とは違うって言っているじゃないですか」と
立浪和義監督もご満悦だったが、そこから徐々に失速していった。開幕四番に座り、今年の目玉でもあった
中田翔が精彩を欠いて故障から二軍行きとなると打線のつながりが欠け、4月末に復帰した
岡林勇希が低調。和製大砲の
石川昂弥も伸び悩み、ここ数年の課題でもある得点力不足が今年も露呈された。373得点は昨年の390得点からさらにダウンし、1試合平均2.61得点では苦戦続きも当然。新助っ人の
ディカーソンは安定感に欠け、捕手の軸となる
木下拓哉も不振を極め、開幕から三塁に定着して好調だった
高橋周平の早々の離脱も響いた。代打の切り札として獲得した
中島宏之は無安打で役目を終えた。
その中でも2年目の
村松開人、
福永裕基などが成長し、シーズン100安打に到達。
山本泰寛、
板山祐太郎の新戦力も攻守で存在感を示し、特に
カリステのユーティリティーぶりは際立っていた。誰かが不調でも大きな穴とはならなかったが、日替わり打順&ポジションを強いられてチーム全体が落ち着かず、得点圏打率.226が示すように、何よりも勝負強さに欠けた。
投手王国とも言われてきたチームだが、今年のチーム防御率2.99はリーグ4位。序盤の快進撃は投手陣によるところが大きかったが、それも長くは続かなかった。規定投球回に到達したのは
高橋宏斗と
小笠原慎之介の2人。高橋宏はチームトップとなる12勝(4敗)で最優秀防御率のタイトルを獲得してエースの称号を手にしたが、小笠原は5勝11敗で今年も貯金を作れず。立浪監督が最も期待した
梅津晃大は・・・
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