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【MLB】村上宗隆は新時代のTTO打者 豪快な一発と冷静な選球眼で示す存在感

 

前評判を覆すかのように本塁打を量産しているホワイトソックスの村上宗隆。両リーグ上位の本塁打をマークするなど、春先から快音を響かせている。マークが厳しくなっていく中で今後はどれだけのアーチを描けるのだろうか


(Three True Outcomes/スリー・トゥルー・アウトカム/TTO)型打者──。この言葉が広まり始めたのは2000年前後だった。直訳すれば「三つの真の結果」。三振、四球、本塁打に打席結果が偏る打者を指す。

 もともとはセイバーメトリクス界隈で使われた半ばジョークのような表現で、アメリカ野球分析サイト「ベースボール・プロスペクタス」の共同創設者クリスティーナ・カールが生み出したと言われている。当時、このタイプの打者は必ずしも高く評価されていなかった。

 象徴的存在が、阪神でもプレーしたロブ・ディアーだ。1986年から92年まで毎年130三振以上を記録しながら、本塁打も量産。88年を除けば毎年25本塁打以上を放った。ディアーは引退後、マイナー・リーグの打撃コーチ時代に「俺のようなスイングはするな」と選手に語っていたという。

 しかし、時代は変わった。アダム・ダン、ジョイ・ギャロらを経て、今ではカイル・シュワーバーのようなタイプが高く評価される。シュワーバーは2025年にナ・リーグ本塁打王と打点王を獲得し、オフにはフィリーズと5年総額1億5000万ドルで再契約した。

 そして今、その系譜に日本から加わったのがホワイトソックスの村上宗隆だ。メジャー挑戦前から「三振は多いだろう。しかし、当たればボールを粉砕する」と評されていた。焦点はただ一つ。「圧倒的な長打力が、三振の多さを上回れるか」である。現地時間5月18日時点で、203打席で17本塁打、66三振、37四球。打席結果の59.1%がインプレーになっていない。まさに典型的なTTO型打者だ。

 ただ、村上のすごさは単なる「当たれば飛ぶ」だけではない。

 平均打球速度95.0マイル、ハードヒット率59.0%、バレル率22.0%はいずれもメジャー上位級。OPS.943という結果にも表れている。加えて優れているのが選球眼。チェイス率22.1%とボール球をむやみに追いかけず、四球率18.2%はMLB平均の8.4%を大きく上回っている。

 クラブハウスでも存在感を増している。言葉の壁はあるものの、試合前の細かな準備やルーティンへの姿勢が若いチームメートに好影響を与えている。村上とともにチームはまとまり、ホワイトソックスは24勝23敗と勝ち越し中。球団は村上を“チームの顔”として扱い、球場外壁には壁画が描かれ、ユニフォーム売り上げは「チーム全選手を合わせた以上」だという。

 そんな中でも、村上は冷静にプレーしている。22年に三冠王を獲得した際、日本中の熱狂を経験しているからだろう。5月16日に7試合ぶりの本塁打を2本放った後も、本人は淡々と「7試合ぶりであることを、僕はそこまで大きくとらえていない。打てる時は打てるし、打てない時は打てない。一番大事なのは準備。同じ準備や試行錯誤を続けられたので、そこは100点だったかなと思います」と語った。

 もちろん現時点の課題は明確だ。メジャー投手の直球は打ち砕いているが、スライダーには打率.143、空振り率59.0%、三振率50.0%と苦しんでいる。スイーパーにも手こずっており、今後は横変化の攻めがさらに増えるだろう。だが村上なら、“新時代のTTO打者”として、課題も確実に克服していくはずだ。

文=奥田秀樹 写真=Getty Images
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メジャーから発信! プロフェッショナル・アイデアの考察[文=奥田秀樹]

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