夏の野口に期待してください──今年5月、まだ暑さが本格化する前の練習場で大粒の汗を流しながら調整に励む男は、そう高らかに宣言した。その言葉に嘘はなかった。
阪神から戦力外通告を受けて、新天地として選んだ静岡の地で迎えた今季。野口恭佑は、言葉通り夏場から凄まじい輝きを放ち、セ・パ12球団の関係者へその名を再び轟かせた。
創成館高では3年春・夏の甲子園に出場、九州産業大を経て阪神へ。育成指名から始まったプロ野球人生。必死の努力とアピールが実を結び、育成からはい上がり、一軍の味を知るも、昨秋に待ち受けていたのは非情な戦力外通告だった。それでも野口の野球への情熱が消えることはない。縦縞から新たな縦縞へ。ハヤテのユニフォームに袖を通し誓ったのは、再びの“はい上がり”であった。春先はケガで出遅れたものの、夏の暑さが顔をのぞかせるころから打撃が急加速。「暑さが苦手で余計な力が抜けるから」と本人は笑うが、そのバットから放たれる鋭い打球は確かな技術、そして執念の結晶だった。
迎えたシーズン最終戦・・・
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