
強肩強打の捕手として寄せられる期待は大きい
正捕手へのステップを着実に踏んでいる。4年目の22歳、
山本祐大はすでにキャリアの最多出場試合を更新中だ。昨季二軍監督を務めた
三浦大輔新監督の下で初の開幕一軍に抜てき。チームの低迷を受けて約2カ月間の二軍降格も味わったが、再昇格後は
伊藤光と併用され、調子を上げてきたチームの一角として働きを見せている。
球界屈指と言われる強肩が最大の武器だが、
ラミレス前監督が評価したのは打撃だった。ルーキーイヤーには代打で出たプロ初打席で本塁打をマーク。翌2019年も8月18日の
ヤクルト戦(横浜)で、ドロー目前の延長12回二死満塁からベンチ入り最後の野手として代打出場。サヨナラ打を放った。ラミレス監督は「彼は何か特別なものを持っている」と意外性をたたえた上で「それが捕手かは分からないが、必ず将来チームを引っ張る存在になる」と太鼓判を押していた。
監督の長期政権が続くチームで正捕手が交代する例は少ない。三浦監督をはじめ、首脳陣が昇格した新チームは山本にとっても千載一遇のチャンスといえる。開幕当初は若手投手とセットで起用されるパターンが多かったが、一軍再昇格後の6月23日の
巨人戦(富山)ではエース
今永昇太の女房役を任され、そこから7試合連続で先発マスクを務めた。その間、チームを5勝2敗と好成績に導き、その白星はすべて先発投手に記録されている。
Aクラスの背はいまだに遠い今季の
DeNAだが、若き捕手の成長は後半戦の見どころだ。
写真=佐藤真一