
40歳を迎える今季も一軍ブルペンを支える戦力としてフル回転する覚悟だ
北の鉄腕は6月2日に迎える誕生日で40歳となる。四十にして惑わず――。世間では「不惑」と呼ばれる年齢だが、
宮西尚生の心は若い。「大台の40に乗るけど、やっぱり去年は野球観が変われた1年だった。今年で18年目になるけど、本当に新しい自分の野球観っていう意味では“第2章の2年目”っていう覚悟で戦っていきたい」。そう決めている。
昨季は新球チェンジアップを完全習得し、復活の1年とした。開幕二軍だった1年前は一軍昇格も6月中旬だった。その際に
新庄剛志監督からインスタグラムのDMで「頑張らんでいい。楽しめ」とメッセージが送られた。「変な肩の荷が一気に下りた。辞めるまでこれが自分のテーマなんかな」。40歳を前に生けるレジェンドもハッとした文面だった。
新球を交えた新たな配球。通算900試合登板も目前の豊富な経験値から導き出す勝負勘。そして野球を楽しむ新たな世界観。惑うどころか、前に前に突き進む原動力を得て昨季は19ホールドをマーク。今季は「本当に1年、1年が残り少ないと思うので、思い切って投げたい」と開幕から一軍ブルペン陣を支える1人としてスタートした。
新庄監督からは今年も気持ちを高ぶらせるメッセージが届いた。1月に宮西がDMで新年のあいさつ文を送ると「国頭でゆっくり調整はさせん」と返信が来て、春季キャンプの一軍スタートを通達された。意気に感じて順調に調整を進めてきた9年前の日本一を知る数少ない生え抜き左腕が、40歳の節目に再び日本一の景色を見るために全力を尽くす。
写真=BBM