「習志野サウンド」は「夏の風物詩」
東京ドームの左翼席2ブロック分、約170人の習志野高校吹奏楽部の部員が大応援を展開した[写真=矢野寿明]
【高校日本代表壮行試合】
大学日本代表8-0高校日本代表
(8月28日、東京ドーム)
第31回WBSC U-18ベースボールワールドカップ(台湾、8月31日開幕)に出場する侍ジャパンU-18代表(高校日本代表)が8月28日、大学日本代表との壮行試合(東京ドーム)を戦った(大学日本代表が8対0で勝利)。
2万5943人の観衆が見守るスタンドを彩ったのが、大応援だった。ライトスタンドには東京六大学応援団連盟、レフトスタンドには習志野高校吹奏楽部の約170人が陣取った。
名門・習志野高ブラバンは全部員を動員。26、27日は富山県魚津市内で計3度の演奏会。27日朝にバス移動し、東京ドームに入った。
先輩から後輩へとつながれてきた「美爆音」。統率の取れた「習志野サウンド」は、高校日本代表を盛り上げる壮行試合に欠かせない演出であり「夏の風物詩」となっている。
千葉大会、さらには甲子園出場の際にはアルプス席を席巻してきた同校のレパートリーに加えて、壮行試合に合わせた選曲もあった。
慶応高・丸田湊斗(3年)には『ダッシュKEIO』、横浜高・
緒方漣(3年)の打席には『横高アトム』が流れた。「習志野サウンド」にアレンジされており、重厚感があった。また、仙台育英高が今夏の甲子園で習志野高と同じ曲を数曲、演奏していた縁もあり、同校の選手の打席で流した。
高校日本代表は3安打。得点圏に走者を進めたのは初回のみで、インプレー中、習志野の名物応援歌『レッツゴー習志野』を披露する機会は、9回表の最後の攻撃に限られた。好投手ぞろいの大学生相手に、チャンスすら作れなかった現状が、応援にも影響したのだ。
演奏だけではない。「マツケンサンバ」では部員たちが、ド派手な衣装に扮して、パフォーマンスを展開した[写真=矢野寿明]
演奏だけではない、吹奏楽部部員は芸達者ぶりを発揮。「マツケンサンバ」のテーマが流れると、マツケンに扮した部員が、曲に合わせてダンス。試合中は、昨年に続き、ペンライトを振りながらダンス演出する通称「オタ芸」も披露した。
試合後、高校日本代表はレフトスタンドへお礼のあいさつ[写真=矢野寿明]
試合終了後は高校日本代表20人がレフトスタンド前で、お礼のあいさつ。同じ高校生である。グラウンドの選手と、スタンドの吹奏楽部が一体となり、素晴しい光景だった。
文=岡本朋祐