3年生左腕に託された1回戦の先発

東大打線を1安打に抑え、自身2度目の完封を遂げた[写真=田中慎一郎]
【5月3日】東京六大学リーグ戦
慶大3-0東大(慶大1勝)
慶大・渡辺和大(3年・高松商高)が背番号18の仕事を全うした。1安打完封は昨秋の東大3回戦以来、自身2度目。140キロ台のストレートと、同じ腕の振りから投じられるスライダーで14奪三振と圧倒した。
「僕らが優勝するには、落とせない」。慶大は開幕カードの立大戦を2勝1敗で勝ち点を挙げるも、明大戦は2敗1分で勝ち点を落とした。この2カードでは主将のエース・外丸東眞(4年・前橋育英高)が1回戦の先発を務めてきたが、このカードは3年生サウスポーに託された。
5回一死から四球を与えるまでパーフェクト。7回二死まで無安打投球を続けた。「打たれるものだと思っていた。一人ひとりの打者に集中していました」。東大の四番・大原海輝(4年・県立浦和高)に中前打を許し、初めてHランプが灯っても慌てることはなく、9回まで27個のアウトを積み重ねた。
渡辺は昨秋まで背番号14を着け、今春からは18を背負う。昨年まで2年間、主将・外丸が着けていたエース番号である。昨秋は最優秀防御率のタイトルを初受賞。12月には大学日本代表候補強化合宿にも参加し、貴重な経験を積んだ。高松商高では
巨人・
浅野翔吾と同級生で、刺激を受けながら、自身もレベルアップしていく。
文=岡本朋祐