「選手たちの気持ちがつながった」

立大は8回裏に3点差を追いつくと、9回裏は村本がサヨナラタイムリーを放ち、グラウンド上はもみくちゃになった[写真=田中慎一郎]
【5月3日】東京六大学リーグ戦
立大5x-4早大(立大1勝)
終盤の粘り。立大が地力をつけてきた。早大のエース・
伊藤樹(4年・仙台育英高)に7回まで6安打1得点に抑えられていた。しかも、エラー絡みの失点もあり、内容は芳しくなかった。1対4で終盤2イニングの攻防である。就任2年目の木村泰雄監督は言う。
「最後まであきらめない雰囲気がある。1点ずつ取っていけば追いつける。選手たちの気持ちがつながった」
立大は8回裏、二死満塁からボークで1点を返すと、早大はリリーフエース・
田和廉(4年・早実)にスイッチ。打席の丸山一喜(3年・大阪桐蔭高)は直感した。「これでいけると思った。一本出せば、2点入る」。試合の空気を読み、交代直後の初球をセンター前にはじき返した。値千金の同点適時打。9回裏は敵失からチャンスを広げ、一死満塁から村本勇海(2年・大阪桐蔭高)の中前サヨナラタイムリーで、決着をつけた。
逆転勝利の背景には、先発の小畠一心(4年・智弁学園高)が6回3失点と仕事を果たし、竹中勇登(4年・大阪桐蔭高)、吉野
蓮(4年・仙台育英高)とリリーフ陣の献身的な働きも見逃せない。
立大は開幕カードの慶大戦を1勝2敗で勝ち点を落としたが、法大戦で連勝。リーグ3連覇を狙っている早大との今カードは、2017年春以来の天皇杯奪還を目指す上でヤマ場である。勝ち点4勝負のV争いに持ち込むためにも、早大戦は連勝で終えたいところ。ミスをカバーできるチーム力がついてきた立大は、神宮での一戦ごとにたくましさを増している。
文=岡本朋祐