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【大学野球】リーグ3連覇を目指す早大がもう一度、足元を見つめ直す機会

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終盤3イニングを5失点


9回裏、サヨナラ負けを喫した早大ナインは肩を落として整列に向かった。2回戦へと気持ちを切り替えた[写真=田中慎一郎]


【5月3日】東京六大学リーグ戦
立大5x-4早大(立大1勝)

 早大が立大の先勝を許した。昨年は9年ぶりの春秋連覇。昨春、秋を通じて1回戦を落としたのは、秋の慶大戦以来である。1回戦を良い流れで入れたのも、昨春からエース番号11を着け、年間9勝を挙げた伊藤樹(4年・仙台育英高)の好投に尽きる。

 立大1回戦も、伊藤は7回1失点とゲームメーク。4対1で逃げ切り体制に入ったが、救援陣が踏ん張れなかった。8回裏から救援した越井颯一郎(3年・木更津総合高)が制球を乱し、二死満塁からのボークで失点すると、田和廉(4年・早実)にスイッチ。しかし、2点適時打を浴び、同点とされる。9回裏は田和の失策から、暴投などでピンチを広げると、サヨナラ打を浴びた。

 法大2回戦でも3点リードを守れず、終盤3イニングを5失点で逆転負け。この日もリリーフ陣が失点を重ねた。

背番号11の伊藤はチームを背負うエースとして、こう振り返った。

「(勝ち点を奪取した法大3回戦から)中4日でベストコンディションからは程遠かったですが、何とか7回1失点に抑えた。リリーフ陣が法政戦に続いてやられている。先発が完投すればいい話。あの2人は責められない」

 小宮山悟監督は唇を噛んだ。「ブルペンの2人が想定外でした」。ただ、こう付け加えている。

「法政との試合が終わってからの今日に臨むまでの、練習での取り組みが出た。普段の練習からいい加減にやっていると(この神宮で)出る」

 活動拠点・安部球場で、思い当たる節はあったのか聞くと「山ほどあります」と言い切った。あくまでも、学生主体。このポリシーは譲らない。

「ああしろ、こうしろとは指示しない。この結果を受け止めて、どうするのか。逆に楽しみです」

 課題と真正面から向き合い、修正点を考え、克服するための努力をする。技術は短期間で、劇的な変化は期待できないが、心はすぐに切り替えることができる。

 早稲田大学野球部の基本理念である「安部球場=神宮球場」を再考する絶好のタイミングだ。小宮山監督に言わせれば「高い授業料を払う形になった」かもしれないが、勝ち点を落としたわけではない。1回戦を落とした劣勢からの巻き返し。それこそ、チーム力が試されるとき。リーグ3連覇を目指す早大はもう一度、足元を見つめ直す機会となった。

文=岡本朋祐

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