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2026 PREVIEW プロ・アマ球界大展望

<2026社会人野球展望>二大大会を席巻した東海勢に注目!! 西関東、東京、近畿勢も黒獅子旗奪取へ虎視眈々

 

2025年は都市対抗を王子、社会人日本選手権をヤマハが制した。予選で実力伯仲の東海勢が全国でも躍動。26年もその勢力図は変わらないのか。新たに就任する新監督の手腕、また、秋に愛知県内で開催されるアジア競技大会からも目が離せない。
取材・文=中里浩章

2026年も東海勢が社会人野球をリードしていくのか。25年の都市対抗は王子が21年ぶり2度目の優勝[写真=矢野寿明]


企業スポーツの存在意義


 2026年は25年に引き続き、都市対抗が8月下旬からの開催となる。プロ野球との日程調整による措置だが、夏の甲子園が終了して興奮冷めやらぬタイミングでの実施は逆に注目を集めやすい。また、地区によって予選の開催時期(25年の場合は5月下旬〜7月中旬)も例年以上にバラつきが出るため、予選や本大会へどう向かっていくのか、事情が異なる各チームの戦略も見どころになるだろう。本大会に関しては、1万人以上の観客動員を条件とする「特定試合シード」を復活させた23年以降、コロナ禍で一気に落ち込んでいた総入場者数が増加中。26年も熱戦による盛り上がりを期待したい。

 その一方で触れなければならないのは、厳しい現実と向き合いながら戦っているチームも多いということだ。特に25年から16年ぶりに活動を再開した日産自動車は会社の業績悪化に伴う人員削減や工場閉鎖が話題となり、批判の声にも苦しみながら1年目を駆け抜けた。また12月に入ると、これまでスポーツ事業に積極的に取り組んできたパナソニックがグループ経営改革の一環として、26年シーズン限りでの活動休止を決定。都市対抗出場57回、日本選手権2度の優勝を誇る名門の発表には激震が走った。社会人野球の現場で“企業スポーツの存在意義”としてよく耳にするのは「社員の士気高揚と一体感の醸成」や「地域社会への貢献」。各チームの選手・スタッフ全員がそれを強く認識しながら日々取り組んでいるのだということは、見ている側の我々も忘れるわけにはいかない。

 さて、勢力図で言うと25年は「東海勢の年」だった。3月の東海地区春季大会から11企業チームでハイレベルな争いを繰り広げ、日本選手権対象のJABA大会では11大会のうち6大会で優勝。都市対抗では3チームが4強に上がり、決勝は王子対三菱自動車岡崎の愛知対決となった。さらに日本選手権は都市対抗優勝とJABA大会優勝の7枠を加え、大量10チームが本大会出場。うち4チームが8強へ勝ち上がり、ヤマハが優勝。二大大会の各31試合で東海勢は都市対抗12勝、日本選手権14勝と席巻していた。

社会人日本選手権はヤマハが9年ぶり2度目の頂点に立った[写真=松村真行]


旬を迎えた都市対抗覇者


 26年もやはり東海地区からは目が離せない。24年まで3年連続で日本一を獲っていたトヨタ自動車が君臨してきたことで目標設定の基準が高くなり、近年は全体的にレベルが底上げされている印象。その中でもチームが“旬”を迎えているのは都市対抗優勝の王子、同4強で日本選手権を制したヤマハの両王者だ。

 王子は湯浅貴博監督(享栄高)が就任した22年から心身のタフさを追求し、4年目に結実した。都市対抗予選では最終の第六代表に滑り込んだ形だが、粘り強く戦うスタイルが浸透。本大会も1回戦は9回裏に2点差を追いつき、延長10回タイブレークで逆転サヨナラ。準決勝と決勝も8回表に試合をひっくり返しており、終盤での集中力が高い。橋戸賞右腕の九谷瑠はプロ入りしたが投手陣全体が若く、新人で最優秀防御率賞に輝いた左腕の樋口新(愛知工大)など実力派ぞろい。ベテラン捕手・細川勝平(中部大)は腕の見せどころだ。野手は若獅子賞受賞の柴崎聖人(大経大)が攻守走で躍動する一方、吉岡郁哉(法大)、神鳥猛流(中部大)、宝島史貴(愛知学院大)ら30歳前後の主軸もちょうど脂が乗った状態。リードオフマンの山口乃義(立命大)ら中堅もバランス良くおり、安定した戦いが見込める。

 ヤマハはここ数年、各大会で常に優勝候補に挙げられてきた。特筆すべきは社会人屈指の打線で、今季は就任2年目を迎えた申原直樹監督(中大)のマネジメントの下、日本選手権5試合で55安打33得点、都市対抗4試合で39安打23得点とその能力を存分に発揮。社会人を代表する主砲・網谷圭将(千葉英和高)、ベテラン・矢幡勇人(専大)に加え、大本拓海(立命大)や永濱晃汰(東北福祉大)も経験を積んでたくましくなった。ドラフト候補として期待を集めてきた相羽寛太(静岡高)は都市対抗首位打者賞、日本選手権打撃賞。1年目でレギュラーをつかんだ森川凌(神院大)と土山翔生(国学院大)の存在感も大きい。投手陣ではエース左腕・佐藤廉(共栄大)が公式戦10勝0敗と安定感抜群。日本選手権では圧巻の5連投(先発3、救援2)で優勝を手繰り寄せた。26年のドラフト候補に挙がる右腕・梅田健太郎(立正大)など有望株もおり、秋夏連覇は射程圏内だ。

 さらにトヨタ自動車、都市対抗準優勝に日本選手権8強と安定した試合運びが光る三菱自動車岡崎も注目。同じく日本選手権8強のHonda鈴鹿と東邦ガス、東海地区春季大会とJABA静岡大会を制したJR東海、24年の都市対抗4強の西濃運輸、着実に力をつけている東海理化と日本製鉄東海REX……。そして企業チームで唯一、日本選手権出場を逃したジェイプロジェクトは巨人の一軍ヘッドコーチだった二岡智宏氏を新監督に招へい。群雄割拠の状況だ。

 他地区も黙ってはいない。三菱重工East、ENEOS、東芝、日産自動車がいる西関東は依然として高い技術力を誇る。日本選手権4強のNTT東日本や戦力充実のHonda、東京ガス、JR東日本らの東京勢も手強い。鷺宮製作所は狩野卓也コーチ(東北福祉大)、明治安田は本田将章コーチ(早大)、セガサミーは佐藤俊和助監督(専大)が監督に昇格し、どんなチームを作るのか。また近畿勢は都市対抗4強、日本選手権準優勝の日本生命も優勝候補の一角。日本選手権4強のNTT西日本も近年は勢いを感じさせる。

金メダル獲得が使命


 新監督も興味深い。エイジェックは元トヨタ監督の山中繁氏(同大)、オールフロンティアは元Honda監督の安藤強氏(東海大)と、ともに日本一を知る名将が就任。日本製鉄室蘭シャークスは札幌大谷高を明治神宮大会優勝や甲子園出場へ導いた船尾隆広氏(函館大有斗高)が就任した。七十七銀行は宇都伊織コーチ(八戸大)、日本製鉄かずさマジックは米田真幸コーチ(平成国際大)、ロキテクノ富山は伊東大輔副部長兼ヘッドコーチ(横浜商大高)が昇格し、沖縄電力は元ヘッドコーチの野原毅氏(沖縄水産高)が復帰する。

 26年、もう1つの目玉は秋に開かれる第20回アジア競技大会。1994年以来32年ぶりの自国開催(愛知県)であり、川口朋保監督(明大)率いる社会人日本代表は当時に続く2度目の金メダル獲得を使命としてチームづくりを進めてきた。

侍ジャパン社会人代表は2025年9月の第31回BFAアジア選手権で優勝。川口監督の手腕が注目され、26年9月に開幕するアジア競技大会でも頂点を狙う[写真=BBM]


 クラブ選手権は第50回記念大会を迎え、出場チーム数を従来の16から24へ増加。さらに8月に準々決勝までを終えたら1カ月空け、準決勝と決勝を都市対抗終了後の東京ドームで行う予定になっている。

 ドラフト候補も東海勢が注目を集め王子・樋口と柴崎、ヤマハ・梅田と森川、三菱自動車岡崎の右腕・清川大雅(同大)と外野を守る岳原陵河(山梨学院高)の名前が挙がる。投手では右腕はパナソニック・柿本晟弥(東洋大)、日立製作所・宮下大地(日体大)、JR東日本・森畑侑大(創価大)、日本製鉄瀬戸内・下堂翔史(日本文理大)、左腕はHonda・千葉汐凱(明大)。捕手では三菱Eastの印出太一(早大)、内野手ではJR東日本の杉崎成(明大)。外野手はENEOS・飯山志夢(立正大)、東京ガス・藤澤涼介(横浜国大)、日本生命・中津大和(法大)など人材豊富だ。

■2026年度主なJABA公式大会日程表

■地区連盟主催大会

※T→トーナメント、L→リーグ戦、LT→リーグ戦・決勝トーナメント方式を採用、�Б�7イニング制を採用

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