2013年ドラフトで最も注目を集めているサウスポー、それが松井裕樹(桐光学園高)である。昨夏の甲子園で22奪三振の新記録を樹立して以来、一躍“時の人”に。多くの人々の耳目を集める17歳は、どんな思いで運命の日を迎えるのだろうか。ドラフト当日まで約2週間に迫る中、本誌が同校で独占インタビューを行った。 取材・構成=岡本朋祐、富田庸 写真=長尾亜紀、BBM プロ野球の舞台に
挑戦するという思い 夏の神奈川県大会、18∪ワールドカップで“高校野球”を終えた松井裕樹は、どこか大人びて見えた。「生まれて初めて美容院に行ったんです」。頭をさすりながらはにかんだ。最速149キロの世代最強ピッチャーでありながら、普段は等身大の17歳。そんな2つの顔を持つ彼には、いったいどんな未来が待っているのだろうか。 ――桐光学園高での野球生活が終了しました。まず、同校に進学した最大の理由はどこにあったのでしょう。プロへのあこがれを持ちながらも、過去に直接プロに行く選手は一人もおらず、進学志向の高い校風です。
松井 高校に入る時点で、プロに行くため、大学に行くために桐光を選んだわけではなくて、「桐光で野球がやりたい」という気持ちが強かったのが本当のところです。(野呂雅之)監督さんの話を聞いてチームの雰囲気が良く、自分に合っているなと感じました。
――夏の県大会敗退後、18Uワールドカップの大会後にも進路について「何も考えていない」と一貫していましたが、9月27日のプロ志望表明会見では「自分の中では決めていた」と言っていました。
松井 考えていないというか、戦っている時点ではそのことで頭がいっぱいで、本当に方向性もはっきりとは出ていなかったんです。もちろん、プロ野球が小さいころからの目標だったのは確かですけど。
――同会見では、「12球団OK」である考えを明かしました。
松井 あれは希望の球団どうこうでなく、プロ野球という舞台に挑戦したいという思いから出た言葉です。
――プロ志望届を書いた心境は?
松井 緊張しました。テストの答案用紙とは比べものにならないです。
――日本トップクラスの投手は続々と海を渡っています。まだ先の話にはなりますが、メジャー・リーグ挑戦という思いはありますか。
松井 そういうことは全然考えていません。今は日本のプロ野球で活躍するために、しっかりと準備をするだけですので。
――松井選手は「準備」という言葉をよく用いますが、今言った「準備」は、プロ野球選手としてのスタートである、新人合同自主トレを指しているのでしょうか。
松井 そうですね。故障しないために今からしっかりと体づくりをしていかないといけません。そこですぐにブルペン入りするかどうかは分かりませんが...
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