2013年ドラフトは桐光学園高・松井裕樹が話題を独占しているが、仙台にも実力派の「ユウキ」がおり、10月24日を静かに待つ。プロ志望届の導入以降、あまり見られなくなった「隠し玉」だ。高校、大学の全国軟式大会で日本一を経験。異色のキャリアを経て、プロの世界に挑戦する本気度を追った。 川島祐輝 東北福祉大 ▲慣れ親しんだ軟式球とこれから勝負する硬式球を手に。高校、大学で全国優勝を遂げた実績は申し分ない
取材・文・写真==高橋昌江 名門・作新では夏連覇の偉業を達成 軟式野球の世界から、NPBに挑戦する右腕がいる。東北福祉大軟式野球部4年の川島祐輝投手。小学校から大学まで握ってきたボールは常に軟式球だった。硬式野球の経験はゼロだが、その素質に4球団が注目。今月の入団テストの結果次第では、ドラフト指名される可能性がある。
2年前には早大ソフトボール部の
大嶋匠が北海道
日本ハムからの7位指名で周囲を驚かせた。川島が2013年ドラフトにおいて、最大のサプライズになるかもしれない。「決して中途半端な気持ちではないんですけど、軟式から硬式への移行、それもプロですからね。周囲からは『通用しない』と思われても仕方ないなと思います。硬式の人のピッチングを見ると、自分はまだまだだなと感じますが、軟式から硬式に行くのならば、硬式のピッチャーと対等以上じゃないといけないと思っています」
すでに覚悟を決めたとはいえ、川島は素直な心境を吐露する。
右のオーバースロー。軟式での最速は138キロだが、スピンの利いたボールには数字に表れない体感速度がある。変化球はスライダー、カーブ、ツーシーム。東北福祉大軟式野球部の小野昌彦コーチは「キレ、制球、テンポ、球質も良い。球は重さがあって押されるので、打者は力負けします」と語る。試合においては、振り遅れて逆方向へのヒットや、ポテンヒットはあったが、クリーンヒットを打たれた記憶はない。4年間の公式戦防御率が0.44と、相手を圧倒してきた。
川島は小学4年時に、軟式野球チームへ入った...
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