小久保裕紀新監督いわく、世界一奪還のカギはディフェンス力にあり。中でも侍ジャパンの中心には捕手を据える考えだという。台湾遠征では主将・嶋基宏を含む3選手が招集されているが、最も重要とされる経験値において彼に勝る者はいない。第3回WBCを経て、さらに代表への想いを強くする炭谷銀仁朗に、強化試合中の台湾で話を聞いた。 取材・構成=坂本匠 写真=小山真司 ※インタビューの最後に炭谷銀仁朗選手の直筆サインボールプレゼント(1名様)についてお知らせがあります 世界一を取り戻す ――炭谷選手は今回の侍ジャパンの中では最も多くの代表選出回数=4度を誇っています。12年3月の台湾戦から侍ジャパンとしてのすべての活動に招集されているわけですが、もちろん、これは日米球界を見渡しても炭谷選手のみです。
炭谷 4度目ですか? そんなに呼んでいただいているんですね。ありがたいです。さすがに代表の雰囲気にも慣れますね。それに今回の代表は、26歳よりも下の選手を中心に選ばれているので、今年のWBCのときより断然気が楽です。ホンマに(笑)。WBCは年上の方が多かったですし、キャンプから1カ月くらいの長丁場で、さすがに気を使う部分もありましたからね。まあ、マー君(
田中将大、
楽天)とかマエケン(
前田健太、
広島)とか、一個下の世代の子も何人かいましたけど。

▲第3回WBCにも3試合出場しており、今回のメンバーの中では代表実績はズバ抜けている。その経験を2年後、4年後にも生かすつもりだ
――つい1年前の引退までは抑える相手だった、小久保裕紀新監督の印象はいかがですか。
炭谷 会って最初に言われたのは、『何で登録名変えたんや?』でした(笑)。そんなに多くは話していないですけど、野球に対する熱さを感じましたね。集合のときのミーティングもそうですけど、まさしく〝野球道〟そのものやなと思いました。
――小久保新監督を迎えて、侍ジャパン再出発の台湾との強化マッチは、3試合のみで、集合から1週間という短い期間の代表活動ですが、2年後の15年に日本で開催予定のプレミア12、17年の第4回WBCに向けて大事なスタートと位置付けられています。どのような目的意識を持って今回の代表に臨みましたか。
炭谷 プレミア12? そういう大会が始まるんですね。どんな大会になるのかまだ分からないですけど、世界大会はいつだって楽しみですし、侍ジャパンとして戦うからにはすべてに勝つだけです。もちろん、今回の台湾との強化マッチも、3連勝は当然しなければいけないものと思って臨みました。台湾に関して言えば、3月に行われたWBCの東京ラウンド(ROUND2 POOL1)でかなり良い勝負をしたので(3月8日@東京ドーム、日本が延長10回の末に4対3と逆転で勝利)、本当にライバルチームだと思うし、いくら強化試合とはいえ、負けられない相手。短い期間で代表チームとして何かを形作るのは難しいのかもしれませんが、勝つことに意味がある、そういう思いで参加させてもらいました。
――勝つことに執着するのは、やはりWBCで3連覇を逃す経験をしているからでしょうか。
炭谷 はい。WBCを経験させてもらって、世界一を取り戻すということを考えると、今後、侍ジャパンが常設化されてこういう形で集まる場合、1つの試合もムダにできないと思うんです。日本としては・・・
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