好調・カープのブルペンで23歳の若武者が躍動している。巨人にFA移籍した大竹寛の人的補償で加入した一岡竜司だ。球種はストレートとフォークのみ。ただ、強者にも堂々と立ち向かう投げっぷりの良さは、他の投手陣にも好影響を与えている。恐れ知らずの剛腕のメンタルを支えているものとは?※成績、記録は5月25日現在。 写真=BBM 「同世代の選手が頑張っていると、負けられないなと思います」 ようやくつかんだ居場所だ。だからそれを離したくない。プロ2年目の昨オフ、大竹寛の人的補償によって巨人から
広島へ移籍したことが、一岡竜司にとって大きな転機となった。
新天地で任されるのは、「勝利の方程式」の一角だ。クローザー・
ミコライオへつなぐセットアッパー。ベテラン・
永川勝浩、同級生の
中田廉とともにその役目を担う。5月25日現在、19試合に登板して防御率はいまだ0.00。球威ある直球とキレのあるフォークを武器に、リーグトップタイの12ホールドを記録している。
4月27日の巨人戦(マツダ広島)では延長11回にマウンドへ上がると、松本哲、村田、
アンダーソンを三者凡退に斬って取り、その裏のサヨナラ勝ちを呼び込む好リリーフ。待望のプロ初勝利を手にした。
「投げることが大好きなので、リリーフの方が向いていると思います。登板がない日はソワソワしてしまいますね(笑)」
そう言って見せた笑顔は、ベビーフェースをさらに際立たせる。開幕直後、キャンプ、オープン戦とガムシャラに突き進んできた一岡を我に返らせる一言があった。
「いまのポジションを守りに入ったらダメだぞ。上だけを見て、もっと頑張りなさい」
緊張で前日から眠れなかったという古巣・巨人の原監督との再会でかけられた言葉に、いつの間にか「中継ぎ」で満足していた己の姿勢に気付かされた。
「成績に一喜一憂せず、1試合、1球に全力を尽くして、チームの勝利に貢献したい。抑えをやりたい? 目指すべき場所だと思いますが、いまはとにかく目の前のこと、です」
ようやくつかんだ場所だから離したくない。だが、走り続けなければ未来はない。チームメートの
大瀬良大地に「新人王有力候補」の声もあるが、いまや一岡も堂々たる�狢亶廓廊瓠�ライバルたちの活躍が大きな刺激となっている。
「自分と同世代の選手が頑張っていると、負けられないなと思います」
若さを武器に突き進む剛腕。23年ぶりのリーグ優勝か、プロ3年目での新人王か──。いずれにしてもそのゴールは、まだまだ先にある。