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2014 変化球特集

楽天のエース・則本昂大の横滑りスライダーに迫る

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昨年はルーキーながら15勝をマークして新人王を獲得。今シーズンも2年連続で開幕投手を務め、新エースの階段を駆け上がっている。そんな則本昂大の生命線となっているボールが150キロを超えるストレートと、鋭く変化するこのスライダーだ。
取材・構成=松井進作 写真=高塩隆、BBM

曲げよう、曲げようと意識し過ぎないこと。ストレートと同じように腕をしっかり振ることで、相手バッターにとっては脅威のボールになる


 僕は3種類のスライダーを投げ分けているんですけど、今回は一番多く投げている「ヨコに滑るスライダー」の投げ方をご紹介します。握りは3種類とも同じで、手首の使い方が少し違うだけです。

 投げ始めたのは中学校のときですが、本格的にウイニングショットの1つとして使い始めたのは大学に行ってから。同級生に良いスライダーを投げていた選手がいて、「どうやって投げているの?」と聞いて。それからその握りを基本に、変化球関連の本も参考にして現在の握りにたどりつきました。

 自分にとってストレートと同じぐらい大きな武器になってくれています。このヨコの変化のほかにも、タテに落ちるもの、あとはカーブとスライダーの間ぐらいのスラーブがあるんですが、ピッチングの組み立てにはなくてはならないボールです。

 投げ方ですが、握りはいたってシンプル。中指と人さし指の第1関節でボールを持ち、握るときは親指はロックします。あとはとにかくストレートと同じように腕を振ることです。リリースの際の一番のポイントはボールを切るのではなく、滑らせながら2本の指で最後は押し込むように投げてください。ボールを切るように投げてしまうとカットボールのような変化になってしまうので。手首をひねりながら内旋させながら〝ドアノブ〟をまわすイメージです。

理想的な軌道は角度ある直線でベース手前で急激に変化する。究極は伊藤智仁さん(元ヤクルト)のようなスライダーですよね。キレと曲がりの大きさもとんでもなかったですけど、スピードもストレートと同じぐらい速かった。伊藤さんが100点満点だとすれば、僕のスライダーの完成度は30点ぐらいですね……。どこまで追いつけるか分からないですけど、もっと精度を高めていきたいです。

 ちなみに・・・

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