昨年はルーキーながら15勝をマークして新人王を獲得。今シーズンも2年連続で開幕投手を務め、新エースの階段を駆け上がっている。そんな則本昂大の生命線となっているボールが150キロを超えるストレートと、鋭く変化するこのスライダーだ。 取材・構成=松井進作 写真=高塩隆、BBM 
曲げよう、曲げようと意識し過ぎないこと。ストレートと同じように腕をしっかり振ることで、相手バッターにとっては脅威のボールになる
僕は3種類のスライダーを投げ分けているんですけど、今回は一番多く投げている「ヨコに滑るスライダー」の投げ方をご紹介します。握りは3種類とも同じで、手首の使い方が少し違うだけです。
投げ始めたのは中学校のときですが、本格的にウイニングショットの1つとして使い始めたのは大学に行ってから。同級生に良いスライダーを投げていた選手がいて、「どうやって投げているの?」と聞いて。それからその握りを基本に、変化球関連の本も参考にして現在の握りにたどりつきました。
自分にとってストレートと同じぐらい大きな武器になってくれています。このヨコの変化のほかにも、タテに落ちるもの、あとはカーブとスライダーの間ぐらいのスラーブがあるんですが、ピッチングの組み立てにはなくてはならないボールです。
投げ方ですが、握りはいたってシンプル。中指と人さし指の第1関節でボールを持ち、握るときは親指はロックします。あとはとにかくストレートと同じように腕を振ることです。リリースの際の一番のポイントはボールを切るのではなく、滑らせながら2本の指で最後は押し込むように投げてください。ボールを切るように投げてしまうとカットボールのような変化になってしまうので。手首をひねりながら内旋させながら〝ドアノブ〟をまわすイメージです。
理想的な軌道は角度ある直線でベース手前で急激に変化する。究極は
伊藤智仁さん(元
ヤクルト)のようなスライダーですよね。キレと曲がりの大きさもとんでもなかったですけど、スピードもストレートと同じぐらい速かった。伊藤さんが100点満点だとすれば、僕のスライダーの完成度は30点ぐらいですね……。どこまで追いつけるか分からないですけど、もっと精度を高めていきたいです。
ちなみに・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン