攻守走すべてでレベルの高さを誇った90年代前半
1990年日本シリーズで巨人を破って日本一に。西武球場を場内一周し、ファンに応える
今なお記憶に残る鮮烈な強さだと言っていいだろう。巨人のV9時代さえ押しのけて史上最強チームの称号に輝いたのは、黄金期の西武ライオンズだ。
森祇晶が監督を務めた1986年から94年までの9年間で8度のリーグVと6度の日本一。この間、リーグ優勝を逃したのは89年の1度のみ。巨人のV9がドラフト制度開始前の入団選手たちが中心だったことを考えれば、この長きにわたった強さは驚異的と言っていい。
特に、球界で活躍する選手や首脳陣、OBたちが「あれは強かった」と口をそろえるのは第二次黄金期とも言える90年代前半の西武だ。
秋山幸二、
清原和博、
デストラーデの“AKD砲”に、
工藤公康、
渡辺久信、
郭泰源をはじめとする強力な投手陣で、当時のメンバーを見るだけでその強さのほどがうかがえる。
89年に優勝を逃すも、90年には巨人から
鹿取義隆、ドラフト1位の
潮崎哲也が加入。強力先発陣に加え、リリーフの柱を得ると、打線もAKD砲で114本塁打と投打ともに他球団を圧倒し、V奪回を果たした。スキのない野球は日本シリーズでも発揮され、巨人に4連勝。
その強さは、巨人の
岡崎郁に「野球観が変わった」と言わしめたほどだった。この年を西武最強とするファンの声も少なくないが、今回のベストオーダーには黄金期の中でも最も高い勝率(.653)を誇った91年を選んだ。
91、92年は2位の近鉄との争いとなり、近鉄もエースの
野茂英雄を西武戦に必ずぶつけてくるなどの総力戦で挑んできたが、これを退けてリーグ制覇。日本シリーズでも91年には
広島を、92年には
ヤクルトを退け、3年連続日本一を達成。その92年には
石井丈裕が最優秀選手と沢村賞をダブル受賞、ベストナインに8人が選出されるなど個人タイトルも独占し、その栄華を極めた・・・
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