シーズン成績:136試合 79勝56敗1分 勝率.585/監督:権藤博 球団史上最強!権藤マジックで歓喜のV
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▲38年ぶりのリーグ優勝、日本一に導いた権藤監督。自由な野球で横浜ナインの才能を引き出した
38年ぶりの優勝を果たした98年の横浜ベイスターズは投打がかみ合った、球団史上最強のチームだった。
その象徴が打ちだすと止まらない“マシンガン打線”と絶対的守護神の
佐々木主浩。
権藤博が監督となり、バントなどの細かい野球はほとんどせず、奔放に打ちまくるスタイルがチームにはまり、その勢いは誰にも止めることができなかった。本塁打こそ多くはなかったが、つないでつないで得点を稼ぐ抜け目のない打線。それが、マシンガン打線だった。
その強さを象徴する試合が7月5日の
ヤクルト戦(藤崎台)の1イニング全員安打、12日の
中日戦(帯広)の9回裏に6点差を追いつく引き分け、15日の
巨人戦(横浜)の0対7からの大逆転だ。さらに26日の
阪神戦(甲子園)で16対4と大勝すると、これで10連勝。
チーム打率.277のリーグ最強打線は勝負強さも光っていた。“満塁男”こと
駒田徳広をはじめ、満塁時のチーム打率は.380。チャンスを確実にモノにする強さも相手チームにとっての脅威となった。
投手陣では、流行語にもなった「ハマの大魔神」こと佐々木が9回にどっかりと座り、「佐々木につなげ」を合言葉に先発、中継ぎも奮闘した。2ケタ勝利を挙げた
野村弘樹、
斎藤隆、
三浦大輔をはじめとする先発陣が6、7回まで投げれば、中継ぎの
島田直也、
五十嵐英樹、
横山道哉が踏ん張り、佐々木につなげる勝ちパターンが確立され、相手打者が「佐々木の前に得点を」と焦るあまり、打ち急ぎかえって横浜投手陣の術中にはまるケースが多かった。
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▲日本一決定時にも胴上げ投手となった佐々木。絶対的守護神の存在が相手チームの脅威となった
6月から首位に立ち続けた横浜だが、8月に入ると足踏み。ついに2位・中日に1ゲーム差まで詰め寄られると、迎えた9月4日からの中日との天王山は最大の山場となった。ここで頼りになったのが佐々木の存在だ。3連投で接戦を制し、3連勝するとチームは息を吹き返し、最後は2位・中日に4ゲーム差をつけてリーグ優勝を果たした。
日本シリーズは
東尾修監督率いる
西武との対戦。パ・リーグからの提案を受け、日本シリーズ史上初めて予告先発で行われたシリーズでもあった。
第1戦の初回から横浜が魅せる。先頭打者の
石井琢朗がバントヒットで出塁するとすかさず盗塁。3回にも盗塁を決めると
波留敏夫、
鈴木尚典、ローズの3連打で3点を奪い西武先発の
西口文也をKO。第2戦は斎藤の完封。第5戦では20安打17得点とマシンガン打線が火を噴き圧巻の勝利など、足を生かして相手を揺さぶり、連打で得点するという、リーグ戦同様の戦いで日本一を手にした。チーム一丸で戦い抜いた横浜からは、6人もベストナインに選ばれるなど、圧巻の強さだった。
[1998年ベストオーダー] [打順] 1. 石井琢朗
2. 波留敏夫
3. 鈴木尚典
4. ローズ
5. 駒田徳広
6.
佐伯貴弘 7.
谷繁元信 8.
進藤達哉 9. 斎藤隆
[主な投手陣] 斎藤隆
三浦大輔
野村弘樹
川村丈夫 島田直也
佐々木主浩
【投票者&コメント】 川崎憲次郎 (ロッテ) 切れ目のないマシンガン打線は投げていてきつかった。気が抜けなかったね
森福允彦 (ソフトバンク) マシンガン打線。鈴木尚典さん、石井琢朗さん、ローズ……。小学生でしたけど、打ちまくってるイメージですね
柳田悠岐 (ソフトバンク) あれですよ、マシンガン打線じゃないッスか。ものすごく打つイメージです
原拓也 (オリックス) マシンガン打線で優勝した印象がすごい記憶に残っている。抑えに佐々木さんもいて投打のバランスが取れていた
T-岡田 (オリックス) マシンガン打線。打線がつながって投手陣は先発、中継ぎとしっかりして抑えが佐々木さん。タレントがそろっていた
川端崇義 (オリックス) 石井琢さんから始まるマシンガン打線。先発、中継ぎ、抑えと各部門に選手がそろっていた
阿波野秀幸 (巨人) マシンガン打線。(石井)琢朗から始まってね。投げていてあんなに頼もしいと思った打線はない(98~00年に横浜在籍)。5点差をひっくり返したりもよくあった
井端弘和 (巨人) 石井さん、鈴木尚さん、ローズ、佐伯さん……。マシンガン打線のときの横浜。つながったら歯止めがきかなかった
橋本到 (巨人) マシンガン打線のとき。その中でも「四番・ローズ」の印象が強いです。石井琢朗さんの打撃フォームをマネしたりもしていました
大島洋平 (中日) 打ちまくるマシンガン打線は印象的です。谷繁さん(現中日兼任監督)、波留外野守備走塁打撃コーチ、佐伯二軍監督らの活躍が強烈です
福谷浩司 (中日) マシンガン打線はよく打つので、ゲームでもよく使ってました。谷繁兼任監督、波留外野守備走塁打撃コーチ、佐伯二軍監督の活躍が印象的です
高城俊人 (DeNA) やっぱりマシンガン打線をはじめとしてすごく印象が強いチームだと思う
桑原将志 (DeNA) 動画サイトなどで当時の映像をよく見ている。石井(琢朗)さん、波留(敏夫)さんの一、二番コンビは特に気持ちが盛り上がる
黒羽根利規 (DeNA) 神奈川県出身なので当時のチームを球場で見ていたので盛り上がりを知っているし、投打ともに強かった
松本啓二朗 (DeNA) いろいろな強いチームがあるけどパッと思い浮かぶのがこの年。インパクト
梶谷隆幸 (DeNA) 大魔神・佐々木さんもすごいですけど、自分は野手なので特にマシンガン打線にあこがれる
中村悠平 (ヤクルト) マシンガン打線。福井に横浜対ヤクルト戦の試合が来て観に行きました。とにかく打ちまくって強い、という印象