昨年まで楽天の指揮を執っていた大久保博元氏。黄金期の西武に入団し、巨人でプレー。引退後は約20年間、野球解説者やタレントとして活躍。また、コーチ、二軍監督、一軍監督と多くの経験をしてきた。その経験とお金にまつわるあれこれ話を、あっけらかんと楽しく語ってもらった。 取材・構成=椎屋博幸、写真=BBM 個人会社設立と年俸
現在、個人会社を経営しています。引退を考え始めたころ、元日本テレビの福留功男アナウンサーの事務所に誘われ、入ろうとしました。その後、長嶋(茂雄)監督に引退と、今後について報告すると「ブーちゃん!ひとりでやったほうがいいよお~。僕もひとりでやってきたから~」と言われ、個人事務所設立を勧められました。監督に言われたら作るしかないですよね(笑)。そこで「監督、会社名を考えてもらえますか?」と頼みました。数日後、留守番電話に「会社名決めたよ!『デーブカンパニー!』これがいいねえ~」と言っていました。
それが今の会社名で、現在に至っています。その間に西武(2008、10年)、楽天でコーチ(12年)、監督(二軍13~14年。一軍15年)をやらせてもらいましたが、契約はあくまで、球団と個人会社との契約でした。つまり私に直接年俸が入るのではなく、楽天から会社に振り込まれ、会社から私に給与が入るという流れでした。会社には従業員がいます。彼らの給与もそこから充てないといけません。
楽天の打撃コーチのときが1500万円、2年目の二軍監督のときが2000万円だったのですが、交通費、経費分を上げてほしいという交渉をし、2500万円に。その年に楽天が日本一になったものの、2000万円の提示をされました。デーブカンパニーとしても死活問題です。しかも減俸の理由説明もなかったんですよ、優勝したのに。どうしても納得いかなかったので、星野(仙一)監督に説明の電話をしたんです。
「そんなことがあったらダメだ!ちょっと待ってろ」と電話を切り、その3分後に電話をいただき「交渉したぞ、現状維持だ!」。ガクッ!ですよ(笑)。

大久保氏は、昨年の監督時代も個人会社と楽天との契約だったため、ほかの監督との年俸内容とかなり異なっていたようだ
それで昨年オフに一軍監督になりましたが、正式には4500万円(報道は7000万と4500万で分かれていた)。でも先述したとおりの手順でいきますので、私が手にする金額は本当に少なかった。昨年は、監督の月経費は30万円でした。コーチ陣との食事会や、仙台のお世話になっている方たちとの食事などで、時にその額を超えることもありました。そのときはもちろん自腹。それが私の監督時代のお金の使い道でしたね。
西武と巨人のお金の使い方の違いですか?これはかなりありました・・・
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