ここでは、実際にグラウンドの中で全身全霊をかけプレーしていた元プロ野球選手2人に、それぞれの球場の思い出を語ってもらった。 取材・構成=椎屋博幸、写真=BBM 投手はマウンドの距離感覚、捕手は球場の広さを気にする
川口和久氏は1981年に広島入団し98年に現役引退したが、ちょうど古い球場から新球場、ドーム球場へと変わっていた変換期だった。一方、ロッテで活躍した里崎智也氏は99年から2014年まで活躍。広い新球場でのプレーが当たり前になってきたときで、人工芝が改良されていった時代を過ごした。もちろん、投手と捕手の違いで、それぞれの球場の感じ方にも違いがあった。 古い球場から新しい球場への転換期にマウンドで力投した川口氏。広い球場のマウンドに立ったときには違和感があった
――お二人がプレーした共通の球場といえば広島市民球場でしょうか。
里崎 そうですね。交流戦のときに、広島市民球場でプレーしました。球場が狭いなあ、バックヤードが狭いなあ、って印象しかないんですよ。
川口 ハハハ。でもね、僕は市民球場で一番勝っていると思うんだよね。
里崎 あそこで勝ってすごいですよ。あんなに狭いですから(笑)。キャッチャーとしても厳しい球場です。外野フェンスも低いので。
川口 僕の場合は、マウンドの感じも好きだったし、投げやすかったんだよね。投げやすいかどうかが、ピッチャーにとっては一番重要なんだ。ナゴヤ球場や後楽園も広さ的にはそこまで変わらなかったしね。当時は、フライが上がればホームランだと思って投げていた。
里崎 そういえば、広島市民球場はバックスクリーンの横幅がメチャクチャ狭いんですよ。
川口 そう狭い、狭い!左のね……。
里崎 サイドスローが投げてくるときは、打席の中で手の出所が観客席とかぶってしまって見えにくいんです!なんやこれ?と思いました。僕は打席でそういう部分をメチャクチャ気にするタイプでしたから、あの幅の狭さには苦労しました。
――先ほど、川口さんが投げやすいマウンドがあると言われましたが、キャッチャーが受けやすいマウンドはあるのでしょうか・・・
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