一度はマスクを置いた。しかし、盟友・高橋由伸監督のため、そしてチームのため、捕手復帰を決めた。男・阿部慎之助の決意に迫る。 
写真=高塩隆
捕手・阿部復帰その時に向けて――。
慣れ親しんだリズムが心地いい。右肩の違和感で開幕を二軍で迎えるなど出遅れていたが5月31日に一軍復帰。交流戦中はマスクをかぶる機会はなかったものの、阿部慎之助はその時に向けて準備を進めていた。「なるべく早く(捕手として)グラウンドで守りたい」と意欲を見せる。
プロ入りから、捕手一筋。攻守ともにチームの支柱を担い、
原辰徳前監督も「慎之助のチーム」と絶大な信頼を寄せた。変革を迎えたのが昨季だ。首痛などを以前から抱え、捕手としては肉体面の負担が大きい。打撃を生かすため、一塁へのコンバートが決まった。
だが、チームは扇の要としての阿部が消え、あらためてその存在の大きさを知ることになる。どこか、歯車がかみ合わない。
相川亮二の故障離脱もあり、開幕して7試合目には早々にマスクをかぶった。そのままシーズンを全うするかと思われたが、ファウルチップがマスク越しに顔面に直撃し、首痛が悪化。再び夏場からは一塁手として出場を続けていた。
迎えた今季、新任の高橋由伸監督は当初から“捕手・阿部”の構想を持っていた・・・
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